【業界スクランブル/原子力】
関西電力が美浜1号機の後継機設置に向け、現地調査の再開を公表した。火力は炭素を出し、再エネは天気任せ、蓄電池は高コストとなれば、原子力に頼るしかない。現在、稼働中で最初に炉寿命に達する高浜1、2号機と美浜3号機はいずれも60年運転の許可を得ているが、事業者にとって外的要因の停止期間を除外しても2047年には3基合計248万kWが消え、50年まで運転できない。
後継機の運転開始はいつになるのか。新規建設に要する標準的な年数は、地質調査と基本設計、環境審査と地元了解に5年、設置変更許可と設工認の審査に5年、建設工事に5年で合計15年、実態は20年以上かかる。最近の既設炉の再稼働では、工事が終了し使用前確認を終えても安全協定に基づく地元からの最終合意に追加の時間がかかるが、福井県知事は理解が深く、そう月日を要さないだろう。
問題は規制委の許認可に要する時間である。建設中の島根3号機と大間は変更申請から既に12年経つが、合格時期は見えない。両者の審査は他原発の審査終了を待たされ停滞したが、その審査範囲は新規制基準関係だけで、新増設のフルスコープではない。12年を参考とすれば5+12+5で22年、つまり47年運転開始となる。
後継機は120万kWの革新軽水炉と言われるが、喪失する248万kWの半分に満たない。となれば、着手済みの敦賀3、4号機も必要だろう。米国ではトランプ政権が規制委を改革して新規建設の許認可を1年半で終わらせるよう、大統領令を出した。日本のお手本となるような迅速な許認可プロセスの実現を望むところである。(T)




