【業界スクランブル/LPガス】
「災害に強いLPガス」。大規模災害が発生するたびに、被災地での炊き出しや非常用発電機の燃料として、その認知度は向上している。一方、水害による洪水時には軒先に設置されたLPガス容器が流出するケースが多く、経産省の審議会などでは委員から「水害時には容器流出が繰り返され、災害に強いといえるのか」などの指摘もあり、早期の対策が求められてきた。そしてこのほど、LPガス供給設備などを扱う企業で組織する日本エルピーガス供給機器工業会(JLIA)が、「現在流通している高圧ホース(気相用)を全て災害対応型のガス放出防止型高圧ホースに一本化する」と表明した。
容器流出対策については、昨年6月から経産省、全国LPガス協会などLPガス関係団体が「容器流出対策に向けた検討会」を組織し、昨年10月に報告書をまとめている。その中で基礎的な対策として、①鎖またはベルトによりゆるみなく容器を固定、②ガス放出防止型高圧ホースを使用、③外壁の金具は、容器が浮上しても鎖またはベルトが外れにくいものを使用―などのルール化を検討する方向性を示した。これを受けJLIAは昨年12月、①集合用高圧ホース(気相用)は2021年4月製造分より防止型に一本化、②連結用高圧ホース(気相用)は同年10月製造分より防止型に一本化する―と表明していた。
近年の水害などによる軒先容器流出は、「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)」では岡山・広島・愛媛の3県で580本が、一般家庭などから流出したり土砂に埋没するなどした。同様の被害は、「令和元年台風19号」では1都11県で303本、「令和2年7月豪雨」では熊本、大分の両県を中心に286本に上っている。
今後、水害対策については、容器設置時の流出防止措置を法令などで規定する方向性で議論していくという。災害対応型高圧ホースのスタンダード化のみならず、安全対策の先行投資の観点からも、LPガス業界を挙げて取り組むことで、「真に災害に強いLPガス」と言われることに期待したい。(F)






