【北陸電力 松田社長】能登の復興に注力 安定供給と脱炭素化で北陸の発展に貢献する

2026年1月1日

外部企業との協業模索 事業領域拡大を狙う

井関 アライアンスやM&A(企業の合併・買収)を視野に入れた事業領域の拡大への取り組みは順調ですか。

松田 現時点でも、さまざまな外部企業とのアライアンスやM&Aを含めた協業を検討しています。これまでの事例としては、21年の福井県を中心にITサービス事業を展開する江守情報グループのM&Aによる連結子会社化があります。もともとグループ内でも複数の情報通信事業を手掛けていましたが、1社加わることで、さらにそれぞれの強みを生かして連携し、お客さまに幅広いサービスを提供できるようになりましたし、また、相互の送客が可能になるなど大きな相乗効果を得ることができました。単独で取り組むよりも事業を軌道に乗せるまでの時間を短縮できますので、さまざまな事業においても引き続き最適な形でアライアンスの強化を進めていきます。

UAEの「フジャイラF3複合ガス火力発電所」は初の海外直接投資案件

海外事業にも力を入れています。25年7月には、当社初の海外直接投資案件として参画したアラブ首長国連邦(UAE)で最大規模・最高効率の「フジャイラF3複合ガス火力発電所」が運転を開始しました。当社は、国内電力事業で培った発電事業にかかわる知見を活かし発電所の安定運転に努めるとともに、これに付帯する業務も請け負うことになっています。さらに海外ビジネスに関する知見も積み上げていきたいですね。

北陸電力グループの持続的成長に向けて、グループを一体として捉え、最適化の実現に向けた取り組みを進めたいと考えています。グループ会社もたくさんありますが、これらをさらに有機的に結び付け、個社を伸ばしつつ、グループ全体最適を進めていきます。26年度を「グループ経営元年」として、よりグループを意識した経営を実現したいと思っています。

井関 志賀原子力発電所の再稼働に向けた審査状況については。

松田 審査において大きな課題であった「敷地内断層」については、23年3月、審査側から敷地内断層が活断層ではないとする当社の評価にご理解いただいています。その後も「火山影響評価」「地下構造」「震源を特定せず策定する地震動」について審査が終了し着実に前進しています。

一方で、能登半島地震や、その後の24年11月26日に発生した石川県西方沖地震の影響等についての議論が継続しています。当社自ら、今回の地震の震源断層を解明するため、金沢大学などと共同で地震観測を実施するなど、積極的に知見を収集し、審査側に説明していきます。引き続き、新規制基準への適合性確認審査に的確に対応するとともに安全性向上工事を着実に進め、十分な安全性を確保した上で地域の皆さまのご理解の下、早期再稼働を目指します。

井関 能登復興に向けた北陸電力の貢献に期待しています。本日はありがとうございました。


対談を終えて

能登半島地震から丸2年。今回の対談に合わせ、輪島市内などの被災地を訪れた。草むらのままの朝市跡や幹線道路の復旧状況などを見ると、復興は道半ばの印象だが、北陸電力では地元と連携しながらの支援活動に力を注ぐ。業績面では中期経営計画の利益目標を23、24両年度に達成するなど好調で、財務目標を上方修正。松田社長の強いリーダーシップの下、グループ経営力の強化を目指す構えだ。(聞き手・井関晶)

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