【特集2】沿線開発の活況を追い風に 流山市主軸の販売拡大に弾み


【京和ガス】

千葉県流山市のほぼ全域と柏市の一部で都市ガスを供給する京和ガス。東京都千代田区の秋葉原駅と茨城県つくば市のつくば駅を結ぶ「つくばエクスプレス」の開通により、沿線を巡る開発が行われ、事業環境が変わった。流山市の人口は、この10年間で約4万2000人増え、21万人に到達。市内の新築住宅獲得数は増加を続け、近年は2000件程度で推移している。同社はこうした追い風をガス販売の拡大につなげている。

注力するのは、地域密着型の営業だ。安藤靖展営業部長は「地元に根付いたガス事業者であることを一般家庭の人々に認知してもらうかがカギを握る」と意欲を示す。例えば、地元の総合公園「セントラルパーク」にある野球場のネーミングライツ(命名権)を獲得した。営業面でも、「ローラー作戦」を推進。営業エリアを分割し、各担当者が各地の日々の様子を確認している。

仮に宅地開発や水道・通信工事の計画を入手した場合、導管を敷設できないかを確かめ、その情報を迅速に社内で共有している。こうした戦略などで、年間100件近くLPガスから都市ガスへ転換。市内のごみ焼却施設では、脱炭素化を目的に2基の焼却炉で使用する灯油を都市ガスへ置き換えた。2025度中には、3基目も都市ガス化する予定だ。

京和ガスベースボ-ルパーク