自民
・代替先を確保しながら露へのエネ依存を低減。サハリン1・2やアークティック2などは引き続き権益を維持する。
・石油高騰対策による価格抑制効果は出ており、高騰がどの程度長期化するか見極め今後の対応を検討。家庭向け電気料金は燃料価格調整上限で値上げに一定の歯止め。また「原油価格物価高騰等総合緊急対策」に対応を盛り込んでいる。
・成長志向型カーボンプライシング(CP)構想を投資支援策と一体で検討。排出量取引を含むGXリーグの発展等、さまざまな手法を検討。
・石炭火力比率は安定供給を大前提に低減。脱炭素型火力への置換を促進。燃料確保については在庫モニタリングの継続や代替調達先確保へ。
・安全性確保を大前提、地元理解を得ながら再稼働を進める。新増設・リプレースは現時点で想定しないが、将来を見据え小型原子炉や安全性向上への研究開発、人材育成に取り組む。厳正かつ効率的な規制の実現を求め、運転期間制度の在り方を含めた長期運転の方策を検討、必要な措置を講じる。最終処分実現に向け、地域の理解を得ながら着実に進めることが重要。核燃サイクル推進の基本方針は堅持する。
・再エネは国民負担抑制と地域共生を大前提に最大限導入。太陽光の廃棄費用外部積み立てや、適正な設置管理、低コスト化の技術開発を進める。
立憲民主党
・日本が有する露権益について、国益上の観点を考慮しても、国際社会と共同歩調を取り(輸入規制も含めた)厳しい措置を求める。
・燃料価格高騰に対しては、5%への時限的消費減税とともに、トリガー条項発動やガソリン以外への購入費補助など、家計に直接届く総合対策をガソリン価格がℓ150円以下で安定するまで続けるべき。その結果、電気料金も抑制できる。そもそも政府が省エネへの努力を怠ってきたことも問題。
・全体の税負担軽減を図りつつ、CP、炭素税の在り方は税制全体の見直しの中で検討する。
移行期はLNG火力を中心に、既存設備を有効活用し、国が必要な設備投資、運転コストを支援。石油火力、石炭火力は緊急時のバックアップ用途が基本。将来的にアンモニア専焼やCCUSなどの可能性を探る。容量市場は、その効力の発揮前に電力不足が生じているとすれば政府の判断ミス。
・実効性ある避難計画や地元合意がないままの原発再稼働と、新増設は認めず。廃炉作業は国の管理下で実施。福島事故を教訓にした新規制基準、原則40年運転制限を遵守すべき。核燃サイクル中止を目指し、使用済燃料は直接処分。電力会社が有する使用済燃料は速やかに乾式貯蔵で一時保存を。
・まずは省エネを徹底。環境調和型再エネ事業を集中的に推進し、送電網整備、蓄電システム導入、技術開発などで安定した低コストの再エネ100%を実現。さらに「農山漁村ベーシックインカム」創設で、農林漁業者を支えるエネルギー兼業を推進。
公明
・現時点では露権益維持が望ましく、海外依存度の高いエネ構造の転換と調達先多角化の一層の推進が必要。省エネや再エネの徹底、自給率向上を通し、エネ安全保障強化とCNの両立目指す。
・石油元売りへの補助金は公明党の強い主張で9月末まで延長、拡充し、負担軽減に一定の効果。高騰がどの程度長期化するかを見極め、トリガー条項凍結解除も含め引き続き検討。電気料金については政府の供給面や需要面の対策がある中、公明党の主張で拡充された「地方創生臨時交付金」を公共料金引き下げなどに活用する。
・産業競争力強化と環境投資拡大を両立し得るCPの在り方を検討。安定的な移行過程の道筋を明確化。
・火力の高効率化やカーボンリサイクル、CO2貯留、直接回収等の研究開発と事業環境整備を推進。アンモニア混焼の促進と東南アジアへの技術輸出図る。
・原発再稼働は安全基準を満たした上で、自治体の理解と協力を得て判断。新増設・リプレースは認めず、将来的に原発に依存しない社会をつくる。40年超の再稼働はさらなる安全性確保のハードルが高く、国民の理解が重要。使用済燃料の貯蔵や高レベル廃棄物最終処分の課題解決の取り組みを進める中で、核燃サイクルも着実に進めることが必要。
・再エネ主力化には法令順守と地域の理解が必要。パネルや蓄電池のリサイクル、長寿命化を図る。FIPや入札制で電気料金(再エネ賦課金)低減へ。
共産
・露が侵攻を続ければエネ輸入を削減、停止せざるを得ず。輸入先の振り替え、省エネの徹底や再エネ拡大でエネ需要の削減へ。
・エネ価格高騰には「異次元の金融緩和」の見直し、消費税率5%への引き下げを。再エネ最優先の電力システム構築が急務。大手電力の市場支配力が圧倒的な中、公正な市場ルールの確立が必要。
・G7の議論や地震リスクを踏まえ、大型石炭火力新設を続ける施策はやめるべき。政府はアンモニア混焼を強調するが、計画的撤退の検討が必要。
・原発の再稼働、新増設・リプレースに反対。審査の「効率化」は安全軽視で、40年運転延長もすべきでない。使用済み燃料の地層処分にこだわらず、廃棄物量を増やさないためにも原発停止を。再処理もすべきでなく、高速増殖炉の見通しが立たない核燃サイクルの断念を。
・政財界が再エネ乱開発やFIT負担等の問題をなおざりにしてきたツケが再エネ導入遅れの最大要因。30年度までに発電の再エネ比率50%以上を目指す。
国民民主
・サハリン1・2の権益は維持すべきだが、露依存度は低下させることが必要。
・与党との3党協議で石油高騰対策の拡充延長を実現したが、トリガー条項凍結解除も必要。電気ガス料金には上限を設け、超過の場合は補助金等の価格抑制策が必要。特に電気料金抑制と需給ひっ迫回避には原子力活用を。
・短期的な需給調節機能の高い火力は一定量を確保。CCUS、アンモニア混焼、水素利用等の実現に向け政府が積極支援を。
・原発新増設は行わないが、基準を満たした原発再稼働と安定運転を図る。40年運転制限は厳格適用する一方、次世代軽水炉やSMR、高速炉等へのリプレースを実施。審査の効率化を進める。再処理は使用済み燃料の減容化等を進めつつ、可逆的な直施処分や暫定保管の方策も検討し、全量再処理政策の再検証を含め今後の在り方を検討。
・FITの支援対象重点化や賦課金減免の拡充等で再エネコストを低減。自家消費型の普及を前提とした託送料金改革を進め、再エネの早期自立を促す。
維新
・露権益からの日本撤退は露側に不利に働くとは限らず、慎重に判断すべき。調達先多様化を進める。
・現下の石油高騰には、消費税の軽減税率を8%から段階的に3%に引き下げ。その後は消費税本体を2年で5%に引き下げ、経済の長期低迷とコロナ禍打破へ。電気やガス料金は料金設定のあり方を見直し、激変緩和措置を講じる。いずれも法案提出済。
・火力の燃料費上昇や廃止に伴い電力市場価格高騰や新電力破綻が相次いだことから、電力市場改革について一層の見直しを行う。
・価格高騰や安全保障の観点から、安全性が確認できた原発は速やかに再稼働、長期では老朽原発フェードアウトへ。運転期間の20年延長などについて直ちに議論すべき。最終処分施設の確実な整備のための手続き法制整備を柱とする「原発改革推進法案」制定を。
・グリーンエネ推進の規制改革や投資促進制度を導入。再エネ導入の障害となる規制の見直しとともに、地域社会がうるおう仕組みづくりを構築。
れいわ
・停戦効果のない露への経済制裁には反対で、日本の国益を考え権益は維持すべき。中長期では化石資源に依存したエネシステムから脱却を。・石油高騰には、ガソリン税撤廃、消費税の撤廃か最低でも5%への引き下げが必要。電力は足りている時期の市場高騰の増加が問題で、市場の不備を独立中立的専門家集団がチェックし改善すべき。高い電気料金を押し付けられた国民には季節ごとの現金給付を提案。
・最終的には再エネ実質100%を目指すが、つなぎとして高効率ガス発電の利用と、天然ガスの安定調達が必要。
・原発が軍事侵攻の対象となる事実を踏まえ、また核燃料のこれ以上の増加につながる再稼働、新増設・リプレースには反対。40年超運転も認めるべきでない。破綻した核燃サイクルは即刻中止。廃炉加速に向け国家戦略として稼働時と同様の財政支援を。
・洋上風力や屋根上太陽光等、大規模な土地造成なしに再エネを拡大するポテンシャルはまだまだ大きい。パネルリサイクルや処理を輸出向けビジネスとして育てる政策が必要。


















