欧州規格に準ずるガス検知器 プラントや現場の最前線で活躍
【理研計器】
火力発電所やLNG基地、製油所といったエネルギープラントでの作業は可燃性ガス漏れや酸欠、一酸化炭素中毒など、常に危険と隣り合わせの中で行われる。
理研計器がこのほど発表したガス検知器「GX―Force」は周囲の空気を内蔵ポンプで吸引し、ガスの発生をいち早く検知してガスによる危険から身を守ることができるのが特徴だ。

「ガスを扱う製造・開発現場では、酸素など臭いのないガスが気づかないうちに不足していたり、臭いのあるガスが充満していることに気づいてから対応を始めても手遅れとなったりする場合があります。
GX―Forceは危険が常に存在していることを想定し、音や光、振動などあらゆる形でアラートを発して作業員に危険を知らせます」。営業技術課の杉山浩昭課長はそう話す。
GX―Forceは可燃性ガス、酸素、一酸化炭素、硫化水素の4成分をセンサーで検知する。独自のセンサーは世界最小クラス。しかも耐久性に優れ3年間の保証付きだ。
メタネーション開発に貢献 27種類の可燃性ガスを検知
可燃性ガスの読み替え機能では、水素など27種類に対応する。現場に合わせてガス種を設定すると、
ガス濃度を自動で表示。別途計算して読み替える必要なく、電源オン・オフ後も設定は保持される。「同機能は従来の拡散式タイプの検知器にも搭載して大変好評でした。今回、吸引式タイプの同製品でも対応しました。エネルギー事業者は水素やメタネーションなど新たなエネルギーの開発に注力しています。開発現場でも、GX―Forceを利用してもらえたらと考えています」(杉山課長)
このほか、作業中でも使いやすいように、筐体の握る部分を細くし、操作ボタンの数を2個に減らした。こうすることで片手で操作することが可能になった。また、上部にLEDライトを搭載し、プラントの暗部で作業しやすいよう工夫している。このほか、フル充電で連続使用時間を従来比3倍の30時間に延長したのに加え、充電端子をUSBタイプCに対応するなどデジタル機器トレンドに合った規格を採用する。
もちろん、ガス検知器としての重要な耐久性にも優れ、3m落下耐久試験をクリアするほか、IP67相当の防塵防水構造、使用温度範囲はマイナス40〜60℃を確保するなどの性能を有する。
今後、同製品は欧州EN規格に申請予定で取得を目指すという。「欧州の厳しい規格を取得することで、ワールドワイドなスタンダート機として定着することを目指します」と杉山課長。
次世代を見据えた新製品GX―Force―。前機種以上にガスを扱う多くの現場で採用されていきそうだ。