【中国電力 瀧本社長】安定供給に全身全霊 全社員一丸で 難局に立ち向かう

2022年11月1日

厳しい経営状況の中、社長に就任した。最大の使命である安定供給と、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、あらゆる取り組みを加速させていく。

【インタビュー:瀧本夏彦/中国電力社長】

志賀 6月の取締役会で社長に就任されました。抱負をお聞かせください。

瀧本 昨今の燃料価格や電力市場価格の高騰、ウクライナ情勢の長期化に伴う燃料調達への影響、全国的な電力需給のひっ迫……。非常に厳しい経営状況の中、そのかじ取りを担うことになりました。いかにその重責を全うしていくか、大変身の引き締まる思いです。

 当社の経営理念は、「信頼。創造。成長。」。この理念に基づき、中国地方において70年以上築き上げてきたお客さま・地域の皆さまとの信頼関係を、より強く、確固たるものにします。さらに快適性や利便性といったエネルギーを通じた価値を提供する中で豊かな未来を創造し、地域の成長へとつなげていく考えです。

たきもと・なつひこ 1981年東京大学経済学部卒業、中国電力入社。取締役常務執行役員経営企画部門長、取締役常務執行役員販売事業本部長などを経て、2022年6月から現職。

厳しい業績予想 値上げの検討に着手

志賀 2023年3月期の連結最終損益が過去最大の赤字見込みとなり、規制料金の値上げ検討にも着手されました。

瀧本 22年度の業績予想は、燃料価格の上昇による燃料費調整制度の「期ずれ」差損の拡大に加え、一部の料金メニューにおいて燃料費調整単価に上限が設定されており、燃料価格上昇を電気料金に反映できないといった理由で、経常損益、親会社株主に帰属する当期純損益、いずれも過去最大の赤字になる見込みです。

 現状、燃料価格や電力市場価格が急激に高騰し、電源の調達費用の増加や一部の料金メニューにおいて、燃料費調整が上限を超えることで、収支や財務へ大きな影響が生じており、電力の安定供給に支障を来たしかねない切迫した状況に至っているものと受け止めています。
 当社は東日本大震災以降も規制料金の値上げ改定を行わず、島根原子力発電所の長期稼働停止や電力小売り全面自由化に伴う競争激化の中、徹底した効率化を進め、料金水準を維持してきました。

 昨今の燃料価格や電力市場価格の高騰に対しても、市場価格の変動リスク低減に向けた取り組みや、グループを挙げたさらなる効率化の深掘りに最大限努めておりますが、仮にこのような状況が続くようであれば、規制料金を含め全ての電気料金について値上げせざるを得ないと考えており、値上げの検討に着手することとしました。 

 ウクライナ問題に端を発したエネルギー問題は、いまや世界規模で大きなうねりが巻き起こっています。資源小国である日本は海外の環境変化の影響を受けやすく、エネルギー政策の基本方針であるS+3Eにおける「Energy Security」、つまり「電力の安定供給」が特に脅かされている状況にあります。当社としては、今後も事業環境の変化に迅速に対応し、中国電力グループの最大の使命である電力の安定供給に全力を尽くしていきます。

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