電気・ガス・水道のデータ利活用 自治体のインフラ整備へ連携

2022年11月5日

【中部電力】

 中部電力は9月26日、静岡県湖西市や豊橋技術科学大学、サーラエナジー、東京設計事務所、第一環境の6者で、電気やガス、水道の検針データ利活用を検討・推進する包括連携協定を結んだ。調印式には6者の代表が参加。産学官の連携としては全国初となる。

中部電力など6者の代表者が調印式に出席した

インターネットとさまざまなものがつながる「IoT」の技術発展に伴い、水道などの検針値がデジタル化され、多くのデータ取得が可能となった。データ利活用による地域基盤の安定や市民生活の安定に、今回の協定が貢献すると期待されている。

湖西市では、市による各種データや地域の課題、市民のニーズなどの情報を提供し、中部電力が電力、サーラエナジーがガス、第一環境が水道と、各分野における検針データを集約する。豊橋技術科学大学が研究成果から助言・提案などを行い、東京設計事務所はコンサルティング、プランニングで協力支援を行う―など6者が協力。提供を受けたビックデータをもとに、AI(人工知能)・IoTの最新技術を活用して、湖西市のサービス向上やインフラ維持の効率化を目指す。将来に向けて産学官の連携協力による「電気ガス水道検針データ等利活用促進会議」を11月にも立ち上げて、データ利活用の施策立案につなげていきたいとしている。

連携期間は25年3月まで 需要予測や見守りに活用へ

連携の期間は調印した9月26日から、2025年3月31日までとなっている。具体的なデータを利活用する方法としては、AIによる電気、ガス、水道の将来需要の予測や、高齢者世帯などの生活パターン推定を行い、見守りやフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)の予防に向けたサービス提供を想定している。情報提供の分野では、検針作業や管工事など、スマートフォンアプリを用いて情報を見える化し、各社共同で一元化するサービスも検討する。10月からは、水道の時間別料金制度を検討する国内初の実証実験も開始した。

地方自治体では、少子高齢化に伴う人口減少が水道事業などの経営に悪影響を及ぼしている。今回のビックデータ利活用の検討は、事業の経営合理化や需要の予測に重要な役割を持つとされる。中部電力ではスマートメーターの普及が進んでおり、通信機能を備えた機器の導入、データ集約に知見を持つ。湖西市と同様の取り組みは今後、全国の自治体でも加速すると言われており、中部電力の経験がこれからのビックデータ利活用を推し進めていく。