【特集2】水素・メタネーション技術を展開 脱炭素化の切り札として注目

2022年11月1日

【日立造船】

日立造船は水素発生装置とメタネーション装置を手掛ける。次世代エネルギー製品として各方面から注目を集めている。

脱炭素化に向けた次世代エネルギーとして脚光を浴びているのが、水素と合成メタンだ。この二つに関連する装置を手掛ける日立造船には各方面から多くの引き合いが寄せられている。
同社の水素発生装置「HydroSpring」は固体高分子(PEM)型水電解法を採用する。PEM型は電解槽内に設置した電解膜を純水で満たし電気で水素と酸素に分離する。中でも、電源の出力変動にミリ秒単位で追従できる長所により、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギーで発生する急激な出力負荷変動にも対応する。
また、純水で水素を製造できるため環境負荷が小さい。10〜100%で水素発生量を制御することが可能なほか、電流密度が高く電解装置自体のサイズを小さくできる。1500kWクラスでの水素発生量は400Nm3時に上る。このほか、屋外設置ができる点も利点となっている。

水素発生装置「HydroSpring」


触媒技術に強み 低温反応性能と高耐久性


水素発生装置と組み合わせて合成メタンの製造に利用するのがメタネーション装置だ。同社は以前から装置の反応器と触媒の製造を手掛けている。特に触媒技術に強みがあり、CO2と水素からメタンへの転換率は99%以上、エネルギー効率は75~80%を有する。
電解・PtGビジネスユニット営業部の足立進一電解営業グループ長は「同触媒は200℃台の低温でもメタンへの反応が可能なほか、2万時間以上の耐久性などを有しています」とアピールする。

メタネーション装置


最近はエネルギー事業者だけでなく、企業からもメタネーションへの引き合いが増えている。高橋哲也営業部長は「工場のCO2削減に検討する企業が増えています。企業の脱炭素への考え方・取り組みなどをヒアリングしながら、機器・システムの提案を行っています。排出するCO2が低濃度の場合には濃縮が必要だったり、水素はどう調達するかなどを考える必要があります。脱炭素に向けてどこに採算性を見出すのか、各企業の方針にかかっています」と、現状を説明する。脱炭素化を推し進める企業の積極的な姿勢が、次世代技術のこれからを左右していきそうだ。