【マーケット情報/11月11日】原油下落、需要後退の見通しが背景
【アーガスメディア=週刊原油概況】
主要指標は軒並み下落。経済減速を背景とした、石油需要減少の見通しが重荷となった。
中国では、新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、一部地域でのロックダウンが継続。規制はある程度緩和されたものの、経済の停滞や移動制限にともなう石油需要後退の懸念が根強い。加えて、同国では、民間製油所を対象とした来年の原油輸入割当量が今年と横ばいとなったこともあり、需要回復の見込みが一段と弱まった。また、欧州では、製造業における経済活動の縮小が続いていることなどから、景気後退局面へ入り、石油需要が後退するとの見通しが広まった。米国では、エネルギー情報局が今年のガソリンおよびジェット燃料の需要予測と、来年のガソリン需要予想を下方修正。油価に対する下方圧力となった。
供給面では、サウジアラビアの国営石油会社アラムコによるアジア太平洋向けの12月ターム供給が、買い手の希望通りとなる見込み。これを受け、需給緩和の懸念が強まった。
一方で、最新の米消費者物価指数(CPI)が市場の予想を下回ったことを受けて、米金利の上昇ペースが減速に向かうとの観測が広がったものの、経済回復の楽観にはつながらず、油価引き上げには至らなかった。
【11月11日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=88.96ドル(前週比3.65ドル安)、ブレント先物(ICE)=95.99ドル(前週比2.58ドル安)、オマーン先物(DME)=91.00ドル(前週比1.24ドル安)、ドバイ現物(Argus)=91.35ドル(前週比0.93ドル安)