【マーケット情報/11月25日】原油下落、中国ロックダウンが重荷

2022年11月28日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み下落。中国における新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、経済減速と石油需要後退の懸念が一段と強まった。

中国では23日、過去最大の新規感染者数3万1,000人を記録。中国東部・鄭州市では25日からロックダウンが敷かれ、また、移動規制の対象地域も拡大。経済がさらに冷え込み、石油需要が減少するとの予測が広がった。

米国の製造業における購買担当者景気指数(PMI)が11月、2020年6月以来初めて前月比で悪化したことも、価格に対する下方圧力として働いた。

また、供給面では、ロシアの11月海上出荷が、21日時点で既に今年最高の日量350万バレルに達している。G7が禁輸措置の一環として、12月5日からロシア産原油に対する価格上限導入を計画しており、それまでに出荷を急いでいるとみられる。

一方、G7は依然、価格上限の詳細を詰めている状況。詳細が不透明なまま、5日を前に、リスク回避のためロシア産原油の取引が停滞する可能性が台頭した。さらに、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェイト、およびイラクは増産を否定。OPECプラスによる協調減産の重要性を強調した。ただ、供給減少の見込みは、価格の強材料とはならなかった。

【11月25日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=76.28ドル(前週比3.80ドル安)、ブレント先物(ICE)=83.63ドル(前週比3.99ドル安)、オマーン先物(DME)=80.62ドル(前週比3.55ドル安)、ドバイ現物(Argus)=80.47ドル(前週比3.94ドル安)