【マーケット情報/12月9日】原油急落、経済減速の見込みが重荷
2022年12月12日
【アーガスメディア=週刊原油概況】
先週の原油価格は、主要指標が軒並み急落。経済の減速、それにともなう原油需要の後退見通しで、それぞれ2021年12月下旬以来の最低を記録した。
米連邦準備理事会が、さらに金利を引き上げるとの見方が台頭している。雇用統計で賃金上昇率などが市場予測を上回り、インフレ圧力の懸念が高まったことが背景にある。欧州中央銀行やイングランド銀行も、インフレに対抗し、金利を一段と引き上げる見通しだ。経済がさらに冷え込み、石油消費が減少するとの予想が広がった。
供給面では、G7が、ロシア原油価格の上限設定で合意。ロシアは反発するも、輸出の継続を表明しており、需給の引き締めには至らなかった。また、米国のガソリン在庫は、8月初旬以来の最高を記録。軽油在庫も、過去9カ月で最高となり、需給緩和感を強めた。
他方、中国は、新型ウイルス感染拡大対策のロックダウンを大幅に緩和。経済活動の再開と、石油需要の回復が予想されるが、価格の上方圧力とはならなかった。
【12月9日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=71.0ドル(前週比8.96ドル安)、ブレント先物(ICE)=76.10ドル(前週比9.47ドル安)、オマーン先物(DME)=71.99ドル(前週9.13ドル安)、ドバイ現物(Argus)=72.03ドル(前週比8.93ドル安)