【マーケット情報/12月16日】原油上昇、品薄感と需要増予測が要因

2022年12月19日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。カナダと米国を繋ぐキーストーン・パイプラインの稼働停止にともなう供給懸念と、需要回復の予測が強材料となった。

同パイプラインは14日に一部が再稼働したものの、全面復旧には依然至っておらず、品薄感が強い。これを受け、米国は戦略備蓄(SPR)から、エクソンモービル社とフィリップス66社に対し、不足分の原油貸し出しを決定。米SPRは12月9日時点で、1984年1月以来の最低水準を記録している。

また、米国では11月、インフレ率が11か月ぶりに大幅下落。米連邦準備理事会による金利の上げ幅も、過去4回にわたる0.75%から、0.5%に縮小。景気の回復と石油需要の増加へ期待が高まった。

さらに、国際エネルギー機関は、今年と来年における世界の石油需要見通しを上方修正。ガスオイル消費の大幅増加が背景にある。OPECも、地政学的な緊張緩和と、中国のロックダウン解除で、世界的な需要回復を予想し、価格の支えとなった。

ただ、中国では、首都・北京で新型ウイルスの感染者数が増加。同国経済の先行き不透明感が強まり、価格上昇を幾分か抑制した。

【12月16日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=74.29ドル(前週比3.27ドル高)、ブレント先物(ICE)=79.04ドル(前週比2.94ドル高)、オマーン先物(DME)=76.81ドル(前週4.82ドル高)、ドバイ現物(Argus)=76.22ドル(前週比4.19ドル高)