【九州電力 池辺社長】原子力の安全・安定運転と徹底した経営効率化で財務体質の改善に努める

2023年1月2日

ウクライナ情勢の悪化で燃料価格が高騰。苦しい経営の中でも徹底した効率化に努めるとともに、再エネ導入拡大や玄海原子力発電所3、4号機の定期検査前倒しなど電力の安定供給と財務体質の改善に向けた対策を急ぐ。

【インタビュー:池辺和弘/九州電力社長】

【聞き手:志賀正利/本社社長】

いけべ・かずひろ 1981年東京大学法学部卒、九州電力入社。2017年取締役常務執行役員コーポレート戦略部門長、18年6月から代表取締役社長執行役員。20年3月から電気事業連合会会長を兼務。

志賀 2022年度中間連結決算について、どのように評価していますか。

池辺 22年度上期は、燃料費調整の期ずれ差損の拡大に加え、卸電力取引市場価格の上昇に伴う購入電力料の増加といった外的要因が重なり、グループ一体となって費用削減などの収支改善に取り組みましたが、14年度上期以来8期ぶりの最終赤字となったことは大変残念です。とはいえ、上期を通して特定重大事故等対処施設の対応や定期検査が重なり、原子力設備利用率が低い状況ではあったものの、燃料費調整の期ずれ影響を除いた業績は242億円の黒字です。ロシア・ウクライナ情勢などによる燃料価格の上昇や、急速な円安の進行など、事業者としてはいかんともしがたい要因による影響が非常に大きいと認識しています。

志賀 通期業績見通しを「未定」としていますが。

池辺 通期業績については、ロシア・ウクライナ情勢による燃料価格の動向や急速な為替変動など極めて不透明な状況が継続しており、業績予想値を合理的に算定することが困難なことや、冬季の需給動向を見極める必要もあることから、未定としています。下期は、今年度当初に計画した玄海原子力発電所の定期検査期間が短縮されるなど、原子力の稼働向上による火力燃料費の抑制が見込まれます。引き続き原子力の安全・安定運転をはじめとした電力の安定供給に努めるとともに、徹底した経営効率化に取り組んでいきます。

志賀 大手電力各社が経過措置料金の値上げを相次いで発表しています。九州電力としての検討状況を教えてください。

池辺 規制料金の見直しに当たっては、まずは燃料価格の動向および当社の収支、財務に及ぼす影響を慎重に見極める必要があると考えています。また、原子力の稼働状況も考慮しなければなりません。当社は来年度、4基体制に復帰し燃料価格高騰の影響を受けにくい体質となることから、こうした影響や経営効率化の取り組み状況も踏まえて判断する方針です。各社値上げに踏み切っている高圧・特別高圧契約の標準メニューにつきましても、ロシア・ウクライナ情勢悪化による燃料価格の高騰など厳しい経営環境下ではありますが、燃料価格の動向および収支・財務の状況、経営効率化の取り組み状況などを総合的に勘案し判断していきます。

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