【マーケット情報/1月16日】原油反発、中国の需要回復に期待強まる
【アーガスメディア=週刊原油概況】
先週の原油価格は、主要指標が軒並み急伸。中国需要の回復見通しにより、価格が反発した。
中国では、旧正月を控えて在庫積み増しの動きが強材料になった。中国政府は、今年2回目分となる原油輸入割当てを発給。既に前年分の割当量を上回るなど、製油所における生産回復の兆しが見られた。また、中国石油化工(Sinopec)の研究機関は、中国の石油消費量は増え続け、2026年頃にピークに達するとの予測を発表した。
米国では、12月の米消費者物価指数(CPI)が、前年同月比で6か月連続減少。これを受け、連邦準備理事会(FRB)の利上げ政策の緩和と、景気および石油需要回復への期待が高まった。
一方で、中国での新型コロナウイルス感染者数の増加や、外国政府による中国人旅行客の入国制限を背景とした経済、および燃料需要への影響が懸念された。ただ、価格の下方圧力にはならなかった。
供給面では、米国における原油の戦略備蓄が40年ぶりの最低水準となった。ガソリンおよびディーゼル在庫も減少し、油価を押し上げた。加えて、ロシアは、G7が規定する価格上限を参照する企業との取引を禁じる措置を発表。また、ノルウェーの大規模油田「ヨハン・スペルドラップ」が停電のため一部操業を停止したことなども、供給逼迫感を強める要因となった。
【1月16日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=79.86ドル(前週比4.74ドル高)、ブレント先物(ICE)=85.28ドル(前週比5.18ドル高)、オマーン先物(DME)=81.09ドル(前週4.88ドル高)、ドバイ現物(Argus)=80.79ドル(前週比4.58ドル高)