【特集2】動画配信や医療など新サービス展開 三方良しのトリプルウィン目指す
【大阪ガス】
大阪ガスがエンドユーザー向けに、これまでのガス機器関連サービスに加えて、新たなサービスを展開中だ。普段使いのパソコンやスマートフォン、テレビ画面を通じて、暮らしに役立つ商品やサービスの提供に本腰を入れている。
同社は、「つながる変わるおうち時間」をキャッチフレーズに、エンドユーザーの「おうち時間」を快適にしようというコンセプトのもと、「スマイLINK」という新たなサービスを始めている。
従来のガス機器関連サービスに加え、①水回り、ハウスクリーニング、家事代行などの日常生活「くらし・サポート」、②夜間休日の訪問診療・オンライン診療を受けられる「メディカルサポート24」(ライト版)、③大阪ガスが運営するEC(買い物)サイトの利用、④関西圏の飲食店を対象にお得なサービスを受けられる「いっとくパス」―といった内容となっている。
サービス項目の数、各項目内のコンテンツは、順次拡充していく予定である。
「TVスティック」を提供 注目はネットフリックス
「まず注目してもらいたいのは昨年8月からスタートした月額制の『スマイLINKTVスティック』というサービス」。大阪ガスエナジーソリューション事業部計画部市場戦略チームの棚倉悠平マネジャーは力を込める。
TVスティックのプランの一つが、「シンプルプラン(月額390円)」だ。ユーザーは大阪ガスから棒状のTVスティックを受け取り、テレビに差し込むだけで、テレビ画面で、ユーチューブなどさまざまな動画・音楽コンテンツを利用できる。加えて前述の「メディカルサポート24」(ライト版)に新たに24時間365日、専門カウンセラーによる相談も受けられる。今後はテレビ画面を通じた診療なども可能になっていく予定だ。
TVスティックのもう一つのプランが、世界最大級の動画配信サービス、「ネットフリックス」と連携したサービスだ。
画質や同時視聴できる端末数(テレビを含む)に応じて、「スタンダードプラン(月額1490円)」と「プレミアムプラン(月額1980円)」の2種類のメニューがあり、加入者はシンプルプラン同様、TVスティックを無料で受け取ることができるほか、メディカルサポート24もこの料金内に含まれていている。
つまり、ネットフリックス料金だけで、TVスティックとメディカルサービスが実質無料になるわけだ。
一番メリットを享受できるケースは、既存のネットフリックスユーザーだ。支払先を大阪ガスへ切り替えるだけで、今以上のサービスを受けられる。
一見すると、大阪ガスには負担が増えるだけで、何らメリットがないように見受けられる。では一体なぜ、こうしたスキームが可能になったのか―。
「ネットフリックス側が手掛ける課金業務やお客さまにご利用いただくための広報業務など、お互いウィンウィンになるような形で連携できる仕組みを構築した。こうした取り組みによって、お客さまにとってお得なプランを提供することができた」(同)
年末年始には、SNSのインフルエンサーと連携したPR戦略を展開した。その影響もあってか、会員も増加傾向だという。
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