【特集2】VPPリソースとして期待 エネファームの最新動向
【日本ガス協会】
都市ガスやLPガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて水を作り、この過程で発生する電気や熱を利用するエネファーム。販売台数は45万台を突破した。小型化し、設置性も向上している。
エネファームの特徴は発電効率とレジリエンス性だ。発電効率は40~55%だが、発電時の排熱でお湯をつくれるため、総合エネルギー効率は80~97%になる。火力発電の場合、家庭に電気を届けるまでの送電ロスを含めると、エネルギー効率は41%程度。エネファームは省エネにつながり、個人が取り組めるカーボンニュートラル(CN)になる。レジリエンス性については、万一停電が起こってもガスの供給があれば、エネファームが電気と熱を供給。水道も使えれば暖かいシャワーを浴びることができる。
現在は、電力の安定供給のリソースとしても注目を浴びる。太陽光発電や蓄電池といった分散するエネルギーリソースの一つとして遠隔でコントロールする、VPP(仮想発電所)での活用が検討されている。将来的には、電力がひっ迫している際にはエネファームの発電量を増やし、余っている際には発電量を減らして系統からの電力を使うといった制御を行う。家庭でエネルギーを効率的に使えるだけでなく、需給バランスの調整で活用されるわけだ。
2022年度の補正予算でエネ庁からの補助金も決定した。日本ガス協会は「CNに貢献する機器。補助を最大限に活用し、普及につなげたい」としている。
