【特集2】メタネーションや火力燃料向け 水素製造の多様なニーズに対応

2023年3月3日

【三菱化工機】

天然ガスをはじめとした化石資源からの水蒸気改質による水素製造技術を培ってきた歴史を持つ三菱化工機。そんな技術をもとに、水素ステーションの建設や、産業界に広く水素関連設備の納入実績を重ねてきている。

産業界への実績は、いわゆる工業ガスとしての水素利用を支えている設備導入の実績だ。半導体ウエハーや光ファイバーなどの製造に必要な高純度の水素供給を設備面で支えているわけだ。

一方、世の中のカーボンニュートラル(CN)の流れを受けて、昨今では「水素をエネルギー源やエネルギー関連の設備として使いたいという問い合わせをかなりいただいている」と水素・エネルギー営業部の石川尚宏部長は話す。

メタネーションに一役 将来的にはシステム提供へ

CNへの取り組みの一つとしてメタネーションが注目されている。メタネーションとは二酸化炭素と水素を化学反応させ、人工的にメタンを作り出すこと。二酸化炭素を循環させることから、実質的にCNとなる。この化学反応の工程で必要となる水素源に「HyGeia(ハイジェイア)」と呼ぶ同社の水素製造装置が採用される実績が増加しているという。

これらのケースはエネルギーとして利用する水素ではない。ただこのメタネーションは、普及に向けた国の政策議論が進んでおり、今後のエネルギー産業とは切っても切れない仕組みとなっていく。とりわけ大手の都市ガス事業者が、「ガス事業のカーボンニュートラル」を目指して本腰を入れて取り組む新技術である。エネルギーコストを下げるために、大量生産・大量供給を最重要課題として取り組んでいく方針で、そんな新しい仕組みであるメタネーションの一部を同社が担うことになる。

片や電力業界に目を向けると、電力会社はCNへの取り組みとして水素混焼や専焼の火力発電を計画しており、この水素源としてブルー水素の活用を検討している。そうした中、三菱化工機は火力発電所など大規模用途へのブルー水素供給に向けて三菱グループ各社と連携しようと動き始めている。

メタネーションにせよ、火力発電所への燃料供給用途にせよ、これまで同社が想定していなかった動きであり、CNに向け新しいビジネスが生まれようとしている証左であろう。

今後同社が手掛ける水素製造装置について、石川部長は「これからの水素は、ブルーまたはグリーンに近づけるかが大きなカギを握ると考えている。水素製造装置のみの設備を提供するだけではなく、CO2回収設備や再エネ由来の水素を作る水電解装置の開発も進めており、将来的にはカーボンニュートラルに資する一連の設備をシステム全体として提供していけるように力を付けていきたい」と力を込める。

工業ガスからエネルギーとしての水素利用へ―。そんなパラダイムシフトの一端に関わろうと、同社の取り組みが加速していく。

三菱化工機のハイジェイア