【マーケット情報/2月24日】原油混迷、需要後退と品薄感が混在
【アーガスメディア=週刊原油概況】
先週の原油価格は、米国原油を代表するWTI先物が小幅に下落した一方で、北海原油の指標となるブレント先物は上昇。需要後退と供給懸念が混在し、方向感を欠く値動きとなった。
米国が発表した最新の生産者物価指数および賃金の上昇率が、市場予測を上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が、利上げ政策の維持を示唆する議事録を公表したことも相まって、景気が停滞するとの見方が台頭。また、産業活動の減速で、石油製品需要が減少するとの観測が強まった。
足元の米国原油在庫は、すでに適正水準を上回っており、需給緩和の懸念が強い。米エネルギー情報局が発表した最新の統計では、同国の原油在庫は2021年5月以来の高水準となっている。また、WTI原油の受け渡し地点となるクッシングの在庫も2021年6月以来の最高を記録するなど、だぶつき感が強い。
さらに、OPEC事務局長が、「中国経済については実態の見極めが必要」として、回復論に慎重な見方を示したことも、需要後退の見方を強めた。
一方、ロシアは3月に、バルト海および黒海地域からの原油輸出を25%削減する見通し。これにより、供給の先行き懸念が広がり、ブレントを中心に週後半から買いが優勢となった。ロシア政府はこれまでに、3月の生産量を日量50万バレル減産するとしており、同量は輸出の減少分と合致する。
【2月24日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=76.32ドル(前週比0.02ドル安)、ブレント先物(ICE)=83.16ドル(前週比0.16ドル高)、オマーン先物(DME)=82.63ドル(前週0.41ドル高)、ドバイ現物(Argus)=82.57ドル(前週比0.32ドル高)