製油所の遊休地などを活用 全国で蓄電池事業展開を検討

2023年3月8日

【ENEOSリソーシズ&パワーカンパニー】

仲摩正浩/電気事業部 電気需給室 VPP事業グループマネジャー

 ―電力事業も手掛ける貴社が蓄電池事業を開始しました。そのコンセプトをお聞かせください。

仲摩 カーボンニュートラル(CN)の実現と電力の安定供給に寄与することが前提にあります。CN実現には、さらなる再生可能エネルギーの導入拡大が不可欠です。天候に左右される再エネを拡大しながら安定供給を確保するには、蓄電池の活用が重要になります。

―蓄電池事業によって、どのように収益化を図っていきますか。

仲摩 電気の小売事業に関連して、電気の調達コスト削減やインバランスリスクの低減に寄与するとともに、容量市場や需給調整市場といった各種市場での活用を通じた収益化を図ります。

拠点を活用し全国に展開 資源高で調達コストが高騰

―室蘭事業所(北海道室蘭市)で2023年度内に稼働予定です。他エリアに蓄電池導入の計画は。

仲摩 当社は電気の小売事業を全国展開(沖縄県を除く)しています。また、全国各地に製油所や油槽所、SS(ガソリンスタンド)など豊富な導入候補地を保有しています。これらの拠点を活用し、全国エリアで検討しています。系統接続や導入コスト、市況(エリアプライス)などを総合的に勘案して、優位性がある地点から導入を進めていきたいと考えています。

―蓄電池事業のリスク要因は。

仲摩 蓄電池の調達コストの高騰や、複合約定ロジック、機器個別計測といった制度設計は、事業展開上のリスクとして認識しています。特に、現在主流となっているリチウムイオン電池に関しては、世界的なEV向け需要の増大や、炭酸リチウムなどの原料価格の高騰により、調達コストが上昇している点は課題と捉えています。

―制度面への要望がありますか。

仲摩 大型蓄電池を導入する上で、系統接続は大きな課題の一つと認識しています。系統接続に向けた一連の手続きを緩和されると非常にありがたいです。また、蓄電池は、充電時は需要バランシンググループ(BG)、放電時は発電BGの扱いとなるなど、従来の電源とは異なる振る舞いをするため、現在、制度上の扱いなどが議論・整理されている状況です。蓄電池の導入を加速させ、再エネのさらなる導入拡大と、電力の安定供給の両方を実現するためにも、現実的な制度設計を期待しています。

なかま・まさひろ 1992年日本石油入社。大阪国際石油精製、川崎天然ガス発電などを経て、2021年から同社電気事業部に所属。22年4月から現職。