【マーケット情報/3月3日】原油上昇、経済回復、供給懸念が背景

2023年3月6日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。中国経済の回復期待と、ロシア産原油の供給懸念から、買いが優勢となった。

中国では、2月の購買担当者景気指数(PMI)の伸びが市場予測を大幅に上回り、2012年4月以来の成長率を記録した。また、5日の全国人民代表大会の開幕を前に、経済刺激策の発表が意識され、石油需要の回復期待が高まった。

他方、ロシアは、3月からの輸出削減計画に加え、ポーランド向けドルジバ・パイプライン輸出を停止。ポーランドの石油会社PKNオーレンが影響は限定的との見方を示したものの、供給懸念が一段と強まり、価格に対する上方圧力となった。ロシアは3月、日量50万バレルの生産削減を計画。さらに、バルト海、黒海からの輸出を25%低減させると公表している。

米国の原油在庫は増加傾向が続くも、記録的な輸出量に相殺され、油価の下方圧力には至らなかった。

【3月3日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=79.68ドル(前週比ドル3.36高)、ブレント先物(ICE)=85.83ドル(前週比ドル2.67高)、オマーン先物(DME)=83.32ドル(前週ドル0.69高)、ドバイ現物(Argus)=83.29ドル(前週比ドル0.72高)