【マーケット情報/3月24日】原油反発、景気と需要の回復期待が広がる

2023年3月27日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み反発。景気の回復期待と金融不安の緩和から、買いが優勢だった。

米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き上げの終了を示唆したことから、景気と需要の回復期待が広がった。また、米シリコンバレー銀行の破綻に始まった金融不安に対し、主要経済国の中央銀行がドル供給の拡充で合意するなど、緩和策を打ち出したことも強材料となった。欧州では、スイスの大手投資銀行UBSが、経営不安にあったクレディ・スイスの買収で合意に至ったことも、市場は好感した。

他方で、クウェート西部における原油流出も材料視された。国営クウェート石油会社(KOC)は、生産への影響はないとしつつも、非常事態宣言を発した。

一方、米エネルギー省長官は、年内の戦略備蓄への補充は困難との見通しを示した。米政権は補充の方針を示していたが、施設の改修作業が補充開始の障害となっている。また、米原油在庫は2021年5月以来の高水準に至るなど適正水準を上回っているが、油価への影響は限定的だった。また、フランスでは、労働争議の影響で複数の製油所が停止したが、油価の下方圧力には至らなかった。

【3月24日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=69.26ドル(前週比ドル2.52高)、ブレント先物(ICE)=74.99ドル(前週比ドル2.02高)、オマーン先物(DME)=75.18ドル(前週ドル0.25高)、ドバイ現物(Argus)=75.06ドル(前週比ドル0.14高)