【マーケット情報/3月31日】原油上昇、減産見通し強まる
2023年4月3日
【アーガスメディア=週刊原油概況】
先週の原油価格は、イラクからの出荷減少の見通しを背景に、主要指標が軒並み上昇。特に米国原油を代表するWTI先物と北海原油の指標となるブレント先物は、それぞれ前週比6.41ドルと4.78ドルの急落となった。
国際商業会議所の国際仲裁裁判所は、イラク政府の承認を得ないまま、イラク北部・クルド人自治区からトルコ・ジェイハン港へ原油を輸出することは違反であると判決。1973年に定められたトルコとイラクの二国間協定に反するものであるとした。これを受け、トルコは、クルド人自治区からの日量40万バレルのパイプライン出荷を停止。同自治区のシャイカン油田における一部生産も停止することとなった。
また、サウジアラビアやイラクなど、OPECプラスの主要生産国8カ国は2日、5月から2023年末にかけて、日量116万バレルを追加で減産すると発表した。 一方、フランスでは労働争議が続いており、複数の製油所で依然稼働が停止している。ただ、価格の下方圧力には至らなかった。
【3月31日現在の原油相場(原油価格($/bl))】
WTI先物(NYMEX)=75.67ドル(前週比ドル6.41高)、ブレント先物(ICE)=79.77ドル(前週比ドル4.78高)、オマーン先物(DME)=77.79ドル(前週ドル2.61高)、ドバイ現物(Argus)=77.87ドル(前週比ドル2.81高)