【特集2】地域のゼロカーボン実装を支援 PPA事業のアライアンス拡充へ

2023年5月3日

自社のノウハウを生かし各地のPPA事業化を支援する


4件のアライアンスが始動 水平展開でGXに貢献

―実際、エネルギーアライアンスを活用した特徴的なモデルが各地で動き出していますね。

秋田 これまでに4件のアライアンスが決定しました。第一弾は、農林中央金庫、JA三井リースと共同で新会社を設立。JA所有の農業関連施設や店舗などの屋根上を活用したPPAを全国規模で展開します。続く第二弾では、栃木銀行と連携し、PPAや環境価値創出、コンサル事業などを手掛け、地域の脱炭素化とエネルギー循環を目指します。

 また、岐阜県で最大手スーパーマーケット事業者のバローとは、取引先を含めたサプライチェーン全体でのPPA拡大を進めます。国内の流通小売りでは初の試みであり、特に課題となっている物流のCN化を働きかける意義は大きい。そして4例目が、脱炭素先行地域にも選定された北九州市との事業です。同市は近隣市町と一体となって、PPAの件数を伸ばしたいという意向が強く、公共施設はもとより、民生へのアプローチで当社が貢献できる部分があると考えます。

 いずれも取り組みのベースは同じであり、異なるのは座組みのバリエーション。それぞれの実施主体の目的に合わせて計画をアレンジしています。

―今後の事業展開の方向性は?

秋田 脱炭素転換は、一つの見方としては、エネルギー産業がローカライズされていく機会とも言えます。他方、分散化が進む中で主体的に地域をけん引していく事業者や、経済成長の基盤となる事業が求められており、PPAはその有望分野になると考えます。まずは各地のPPA事業を支援し、自立化の道筋をつけていきます。

 ただ、エネルギーだけで話を完結させてはもったいない。次のステップとして、再エネは地域経済を支える土台となり、例えばEVバスとの連携やスマート農業など、地域に根差したグリーンなビジネスの共創が求められます。当社ではこうしたビジョンを「GX(グリーントランスフォーメーション)シティ」と呼んでおり、モデルの水平展開に向け、事業領域の拡張を目指しています。

 地域のPPAを起点としたGXモデルの広がりは、日本のエネルギーセキュリティー強化にもつながります。国策として系統増強や大規模な洋上風力開発を推進する方向性とは別の視点として、当社は再エネ自給率の高い地域モデルをつくり、そのモデルを水平展開させることで、脱炭素に貢献することを目指していきます。

※1 富士経済の再生可能エネルギー発電システム・サービス市場/参入企業実態調査2022第三者所有モデル(PPA、リース)・非住宅(10‌kW‌以上)・2021年度実績

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