南豪州で環境配慮型の不動産開発 不動産とエネルギーの融合を目指す

2023年5月4日

【東京ガス不動産】

東京ガス不動産は初の海外不動産事業を豪州で開始する。今年1月に現地法人「東京ガス不動産オーストラリア」を設立。豪州デベロッパーであるシダー・ウッズ社が手掛ける分譲マンション開発事業「Banksia(バンクシア)プロジェクト」に参画する。

バンクシアは、南豪州の大規模再開発事業「Glenside(グレンサイド)プロジェクト」内のESG型住宅開発の一つだ。同プロジェクトは、州都のアデレードから2kmほどにある病院跡地の再開発事業で、敷地面積は東京ドーム約5個分だという。広大な敷地の中には、複数のヘリテージ(歴史的建造物)を保全するとともに地域の生態系による多くの公開緑地を設け、地域環境の保全や自然と調和した住環境の形成も重視している。住宅ではタウンハウス250戸、マンション12棟の建設を予定。東京ガス不動産オーストラリアが携わるのは12棟のマンションのうち、4棟目となる。

2022年11月から始まった工事は、24年7月の完成に向け順調に進行中だ。想定していたスケジュールよりも早めに進んでいるという。間取りは1LDK~3LDKで、各住戸の面積は日本国内仕様よりも広い。価格帯はおよそ5000万円から1億3000万円ほど。引き合いが強く、すでに9割以上が先行販売済みだ。

自然と調和した住環境を実現する

厳しい評価基準をクリア ESG型不動産開発を展開

豪州の住宅開発では、エネルギー性能について10段階の効率基準「NatHERS(ナザーズ)」を満たす必要がある。複層ガラスやシェードの採用、方角、壁の色などを工夫し、必要なエネルギー量を低減することで、その基準を満たさなければならない。バンクシアは基準の6ポイントに対し、7・9ポイントを取得している。

豪州を初の海外進出先として選択したのは、不動産開発の要件として、生態系やコミュニティー形成、エネルギー効率性などの配慮が必要であり、同社が掲げる環境配慮型の不動産開発「ESG型不動産開発」に通ずるからだ。

バンクシアプロジェクトで得たノウハウを基に、今後はアデレードだけでなく、豪州の他エリアへの展開も構想中。また、豪州で新たに市場が形成されつつある賃貸マンション事業への展開も考えているという。 東京ガス不動産オーストラリアの柴﨑裕之社長は「当面は豪州に絞って、年間で複数の開発案件に携わっていきたい。まずは、水や廃棄物、コミュニティー形成などを加味した豪州のESG型開発のノウハウを習得する。また、豪州で普及が急速に進んでいる分散型電源を活用し、不動産とエネルギーを融合させたビジネスモデルの構築も目指していく」と、意気込みを語った。