【インフォメーション】エネルギー企業・団体の最新動向(2023年6月号)

2023年6月13日

【コスモ石油マーケティング/茅ヶ崎市で53施設目となる市立病院へ再エネ電力供給】

コスモ石油マーケティングは、茅ヶ崎市立病院に実質再生可能エネルギー由来の電力の供給を開始した。茅ヶ崎市は2050年のカーボンニュートラル実現を目指す「気候非常事態宣言」を表明し、「コスモでんきビジネスグリーン」を公共施設に導入。同電力プランは、コスモエコパワーが発電する風力電源にひもづく非化石証書を組み合わせたものだ。茅ヶ崎市立病院への導入は53施設目となり、53施設の年間電力使用量約1550万kW時が実質再エネ電力に切り替わる。茅ヶ崎市の施設の総電力使用量の約72%に相当し、年間約7380tのCO2を削減可能だ。両者は今後も、より一層の環境負荷軽減を図り、脱炭素社会実現に向けたさまざまな取り組みを協議継続していく。

【大阪ガス/エネルギー業界初の「エコ・ファースト企業」に認定】

大阪ガスは4月、エネルギー業界で初めて「エコ・ファースト企業」に認定された。エコ・ファースト制度は、環境分野で「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている企業であることを環境大臣が認定するもの。エネルギー業界を含めたさまざまな業界で、環境先進企業としての取り組みが進むことを目的としている。同社は、2021年1月にグループ全体で「カーボンニュートラルビジョン」を発表。これまでの天然ガス利用拡大の取り組みに加え、メタネーションなどによる都市ガス原料の脱炭素化、再生可能エネルギー導入を軸とした電源の脱炭素化により、2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

【放射性廃棄物管理シンポ/放射性廃棄物の国際会議に2800人参加】

放射性廃棄物管理(WM)について意見交換や教育を行っている米国のNPO法人、「WMシンポジア」は毎年2~3月上旬にアリゾナ州フェニックスで国際会議を開いている。49回目となる今年の会議は2月26日から3月2日にかけて開催された。30か国の政府機関と産業界、学界、地方自治体、国際機関などから約2800人が参加。日本からも42人が出席した。WMシンポジアは、米ハンフォードサイトでの高レベル放射性廃棄物について議論するために、1972年に独立した公開の討論会として発足。以来、原子力バックエンドの問題に焦点を当て議論を続け、2013年からは福島第一原発の廃炉についての特別セッションも設けている。

【三浦工業/タイヤ製造で水素式ボイラ―が稼働】

三浦工業が住友ゴム工業から受注した水素燃料の貫流蒸気ボイラー「SI-2000 20S」が稼働した。場所は白河工場(福島県白河市)。副生以外の水素を燃料とした高圧貫流ボイラーの運開は同社としては初めて。住友ゴム工業は、NEDOの助成事業で「水素エネルギーの地産地消と、工業的熱利用による温室効果ガス総合的削減実証研究」を行っている。タイヤ製造において、高温・高圧の蒸気が必要とされる加硫工程での熱利用機器として、この水素ボイラーが採用された。

【東京ガスほか/炭素マイナスのコンクリ ガス機器排気を吸収】

東京ガスは4月、鹿島建設、日本コンクリート工業、横浜市と共同で、都市ガス機器利用時の排気に含まれる低濃度のCO2を吸収・固定化して製造したカーボンネガティブコンクリート「CO2-SUICOM」を、横浜市立元街小学校に設置したソーラー設備の基礎ブロックの一部として導入したと発表した。この製品は、東京ガス、鹿島、日コンの3社が製造し、実用化は日本初。一般的なコンクリートの基礎ブロックと比べ、CO2排出量を製品1㎥当たり298kg削減。マイナス27kg/㎥のカーボンネガティブを実現した。

【商船三井/認証取得アンモニア サウジから日本に輸送】

商船三井はこのほど、第三者認証機関に認証された低炭素アンモニアを、サウジアラビアから富士石油の袖ケ浦製油所に輸送した。サウジ基礎産業公社アグリ・ニュートリエンツ・カンパニーがアラムコの原料ガスから製造したもので、発電燃料用として混焼される。アンモニアの製造過程で発生するCO2を分離・回収し、後工程で活用する。温室効果ガスを実質的に抑制できるため、低炭素に分類される。商船三井は、安全で高品質な輸送サービスで広範なバリューチェーンに積極的に参画することで、脱炭素社会の実現に貢献する。

【四国電力・奥村組ほか/木質バイオマス発電運開】

四国電力は4月、奥村組・岩堀建設工業と共同設立した平田バイオエナジー合同会社の「福島平田村バイオマスパワー2号」の運転を開始したと発表した。年間発電量は、昨年5月に運開した福島平田村バイオマスパワー1号と合わせて、約2900万kW時を想定する。発電出力は各1990kWだ。燃料の木質チップには、福島県と近隣県の林地で発生する間伐材などを使用する。この事業を通じて、森林整備の促進、林業振興、雇用創出により地域社会の活性化にも貢献していく。

【三菱電機/サイブレーク社を買収 高電圧直流送電を強化】

三菱電機は、再エネ普及に貢献する高電圧直流送電(HVDC)システムにおける直流遮断機(DCCB)の技術開発や事業競争力強化のため、同分野に高い技術力を持つスウェーデンのScibreak(サイブレーク)社の全株式を取得する株式譲渡契約を締結した。サイブレーク社の技術やノウハウを取り入れ、再エネのさらなる普及を通じた脱炭素の実現を目指す方針だ。

【大和ハウス工業/九州・響灘混焼火力 バイオマス専焼へ転換】

大和ハウス工業は、子会社が運用する響灘火力発電所(11万2000kW)の燃料方式を変更する。石炭とバイオマスの混焼だった方式を、2026年4月からバイオマス専焼方式する。同発電所は19年に運転を開始し、石炭70%、バイオマス30%の割合で混焼していた。大和ハウスでは、30年度までに250万kW以上の再エネ電源を自社運営する計画だ。

【IHIほか/建設新材料を開発 CO2排出量を大幅削減】

IHIとIHI建材工業は、横浜国立大学、アドバンエンジ社と共同で、セメントを全く使用せずセメントコンクリートと同等の強度特性が得られるジオポリマーコンクリート「セメノン™」を開発した。セメントコンクリートは、製造時の高温焼成でCO2を排出するが、セメノン™は製造過程でセメントを使用しないため、従来のセメントコンクリートに比べCO2排出量を最大で約80%削減できる。さらに、CO2貯留・固定化技術と組み合わせることで、カーボンニュートラル、カーボンネガティブを実現できる。

【清水建設/河北総合病院の移転建設でZEB Oriented取得】

清水建設は、設計施工を進めている杉並区の河北総合病院の移転建設工事で、日本建築センターから「ZEB Oriented」の認証を受けた。急性期病院の認証は都内初で、全国で3例目。ZEB OrientedはZEBに加わった4番目のカテゴリーで、延べ床面積1万㎡以上の大規模建築が対象。病院建築の場合、一次エネルギー消費量の削減基準は30%以上となっている。同病院は9階建てで、延べ床面積は約3万3000㎡。敷地内の落葉樹の保存林を利用した日射制御や、熱負荷の少ない方角に病室を設置するといった敷地条件を生かす工夫のほか、高効率の設備機器の導入で、一次エネルギー消費量を34%削減した。ランニングコストも毎年約3700万円削減できる見込みだ。