CN実現へ政策提言を公表 補助金投資配分のシフトなど訴え

2023年6月17日

【新経済連盟】

楽天グループ創業者の三木谷浩史氏が代表理事を務める一般社団法人新経済連盟は、4月にカーボンニュートラル(CN)の実現に向けた国への政策提言「新経済連盟カーボンニュートラルビジョン」を公表し、5月18日にメディア向け説明会を開催した。

このビジョンは、事業の民間委託の重要性やスタートアップ・ベンチャー・デジタルの活用、国際的なルールメイクの先導などを基本方針に掲げた。その上で、市場、金融、仕組みづくりの相互連携の重要性を指摘。①グリーントランスフォーメーション(GX)産業の勃興を後押しするマーケットメカニズムの促進、②150兆円超のGX投資の効果的なファイナンス、③GXを進めるための仕組みづくり―の3点を挙げ、それぞれに具体的な政策を盛り込んだ。

提言を取りまとめたワーキンググループ(WG)座長の吉田浩一郎氏(クラウドワークス社長兼CEO)は、説明会で「EUやアメリカを上回る150兆円規模の予算もできた。いまGXは面白いタイミングだ」と述べ、ベンチャー企業中心の経済団体としてCNに貢献する考えを示した。

WGの副座長を務めた、エネルギーベンチャー企業エネチェンジ代表取締役CEOの城口洋平氏は、「スタートアップの立場で、GXから革新を起こしていく。多くの分野で抜本的改革が必要だ」と、同ビジョンの意義を強調した。

説明を行う城口洋平氏(左)とWGの吉田浩一郎座長


提言は「魂を込めた」 補助金配分見直し訴える

中でも城口氏が「われわれの魂を込めた内容」と話すのは、GXによるエネルギー源・産業構造の変化に伴う、新産業・新技術への投資配分についての要望だ。

城口氏は、高騰するエネルギー価格への手厚い政府補助について「あまりにアンバランスではないか」と主張し、投資配分をシフトすべきだと訴えた。また、150兆円超のGX投資に対しても、自動車産業を重点投資分野と位置付け、メリハリのある投資を呼びかけた。「米インフラ投資法では10年分の予算が決められているが、日本では年度ごとの予算配分のため、中長期の投資判断ができない」(城口氏)。事業の予見性確保のために、効果的な投資計画の策定を求めた。

ビジョンはそのほか、電力システム改革の必要性や人材の確保、GX政策の司令塔として「GX庁(仮称)」の新設といった内容を記載。今後は、新経済連盟として経済産業省などに働きかけを行う。

日本経済再生に向け、スタートアップ企業が中心となることには「(理事就任の)2015年当時からすると隔世の感がある」(吉田座長)という。GX投資というチャンスを生かすことができるかどうかは、スタートアップ企業の成長にかかる。