【特集2】コージェネ利用で災害対策と省エネ 工場の操業に合わせて稼働を制御

2023年6月3日

【広島ガス】

広島ガスは企業のカーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みや省エネ、災害発生時のBCP(事業継続計画)対策の切り札としてコージェネレーションを中心に据えたエネルギーサービスの提供に注力している。2050年CN達成に向け、転換期においては低炭素化が不可欠だ。そこで同社では設備更新による省エネと合わせて天然ガスとLPガスの導入を顧客に促していく。

また、広島県は18年の西日本豪雨で大きな被害を受けた。その教訓から、県全体でBCP対策への意識が高まっており、対策として災害に強いガスインフラの利用を提案している。

そうした提案が奏功し、エネルギーサービスを展開した案件がある。同県を中心とするスーパーチェーン「フレスタ」への停電対応型コージェネの導入事例だ。フレスタは、これまで県内に点在していた惣菜や精肉加工の工場と本社機能を集約した拠点を新設。これに合わせて、停電対応型コージェネをエネルギーサービス方式で導入した。

フレスタが導入した停電対応型コージェネ

コージェネは平時に工場や本社の空調などに使用する電気の3分の1を供給。災害発生時は事務所の照明や通信機器に給電し本社機能を維持するようにした。

2グループに分けて運用 電力と熱の負荷に応じて運転

一方で、フレスタは広島市と災害時の物資協定を締結。加えて、工場新設時には災害時の協定を締結し「浸水時緊急退避施設」に認定された。これにより、新工場の4階以上の共用部分に2000人の地域住民を受け入れられるようにした。この避難エリアでもコージェネから給電し、照明やスマートフォンへの充電などに利用できるようにしている。

省エネに関しては、コージェネからの排熱利用とデマンド抑制を効果的に実施するため、6台設置した停電対応型コージェネ(35 kW)の制御を3台×2グループに分けて管理を行っている。一つのグループは工場の熱需要に合わせてベースロードで、もう一方は工場の電力や熱の需要が高い時間帯に運転する。二つに分けたことで、電力と熱の負荷に応じた運転が可能となり、省エネ・省CO2に寄与する。排熱については5台分を貯湯槽用、1台分をボイラーで利用している。

「工場は24時間操業で、深夜もエネルギー需要があるため、ベースロード運転は必須だ。並行して、省エネのため季節変動を考慮する必要がある。夏場は空調を利用するため、フル稼働だが、春や秋は運転を制御することで、省エネ効果を上げている」。産業用エネルギー営業部開発グループの森本瑛梨子主任は効率的な運用について説明する。

同社ではフレスタと同様に、食品工場を中心に省エネやBCPなどをアピールしコージェネを中心としたエネルギーサービスの普及に努めていく。