【マーケット情報/6月16日】原油上昇、中国需要の回復に期待

2023年6月19日

【アーガスメディア=週刊原油概況】

先週の原油価格は、主要指標が軒並み上昇。中国政府による景気刺激策や原油輸入を増やす方針を好感した買いが優勢となった。

中国では、低迷する消費活動にテコ入れするため、政府が大規模な景気刺激計画を発表。また、33の製油所に対して新たな原油輸入割当を発給するなど、需要増加の見通しが広がった。クウェート国営石油会社(KPC)のトップが、中国市場での需要は堅持されるとの楽観的な見方を示したことも、市場を後押しした。

米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が、昨年3月の利上げ開始以降、初めて利上げの見送りを発表。年内に追加で2度の利上げを想定しているものの、景気と需要回復への期待が高まった。核開発合意をめぐるイランと米国の交渉再開をめぐる観測がくすぶっていることもあり、買いが先行した。

一方、米大手銀行は、原油の生産増と需要減の見通しから、今年と来年の油価予測を下方修正した。最新の米原油在庫統計で、WTI原油の受け渡し地点となるクッシングの在庫が増加。国全体の在庫も増加を示しており、週半ばまでは供給増加の見通しが強かったが、最終的には価格を下押す材料にはならなかった。

なお、サウジアラビアは、7月から独自の追加減産予定しているものの、太平洋州向けの7月供給量は、買い手の希望通りとなる見込み。


【6月16日現在の原油相場(原油価格($/bl))】

WTI先物(NYMEX)=71.78ドル(前週比1.61ドル高)、ブレント先物(ICE)=76.61ドル(前週比1.82ドル高)、オマーン先物(DME)=75.36ドル(前週比0.16ドル高)、ドバイ現物(Argus)=75.34ドル(前週比0.06ドル高)