日本の技術で途上国に電気を届ける エネルギー研修を大学で実施

2023年8月6日

【JICA/早稲田大学】

「ナイジェリアでは経済成長が著しい。地下には天然ガス資源が埋蔵されているものの、発電設備が足りずに電力の需要が追い付かない状況だ。日本の事情や技術を学びたい」「電力系統の安定化のために、日本にはどのような技術があるのか。そして、どのような技術をサモアに持ち帰ることができるのか知りたい」―。

国際協力機構(JICA)と早稲田大学が連携し、主に発展途上国の電力供給の実務を担当している人材を対象とした、日本の技術を学ぶ研修会。6月に行われた研修の場で、ナイジェリアのツンデさん、サモアのビクターさんがそれぞれ来日した動機を話した。

この研修会は、「再エネ拡大に向けたスマートグリッドと分散型エネルギー資源の管理」をテーマに3年前からJICAが主体となって開催している。過去2年はコロナ禍の影響もあり、オンライン研修だったが、3回目となる今回は、研修生の来日が初めて実現。会場となる早稲田大学で研修生たちは日本の技術を学んだ。

途上国の研修生が日本の技術を学んだ

8カ国の研修生が学ぶ DRの仕組みに期待を抱く

研修会に参加した国はメキシコ、インドネシア、マレーシア、フィジー、サモア、ナイジェリア、ケニア、モロッコの8カ国だ。

ナイジェリアのツンデさん、サモアのビクターさんはともに公務員として国内のエネルギー供給を支えている立場の人だ。両国は、人口も再エネ導入量も増えており、いろいろな課題を抱えている。「今回の研修でデマンドレスポンス(DR)を学んだ。系統の安定化に対応するにはバッテリー導入が対策の一つだがコストが掛かる。でも、DRの仕組みであればコストを掛けずに対応できる」「日本にはいろいろな技術があることが分かった。自分たちが課題を解決しようとするときに、ゼロから準備しなくてもよいことが分かった」。いろいろと研修の手応えを感じているようだった。

早稲田大学にはエネルギー需給を管理するシミュレーション設備があるほか、エコーネットライトに対応した家電設備群が備えられた模擬住宅も存在する。エコーネットライトとは、家電同士の「会話」を支える通信規格のことだ。こうした規格によって、家電設備などを制御するDRをスムーズに行うことができる。

研修業務を担う早稲田大学の石井英雄・スマート社会技術融合研究機構研究院教授は「研修会の場は発展途上国の人たちが日本の技術を知ってもらう機会になる。こうした機会が、今後日本のメーカーが海外に展開するときの一助になれば」と話す。