【特集2】自家消費率の最大化を目指した実証 日本企業の蓄電池やHP技術を活用

2023年10月3日

【NEDO】

環境先進国であるドイツで、再エネの自家消費率を高める実証が行われた。再エネ導入を促進し、新たなビジネスモデルの可能性を探る試みだ。

太陽光パネルと蓄電池を、給湯暖房のエア・トゥ・ウォーター(ATW)式のヒートポンプ(HP)と組み合わせ、住宅での再生可能エネルギーの自家消費率最大化を図る実証が、2015~17年度にドイツで行われた。これは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「スマートコミュニティ海外実証プロジェクト」の一つで、日本企業も参加している。

戸建てと集合住宅で検証 新ビジネスの可能性を示す

実証の舞台は古都シュパイヤー市だ。同市のエネルギー公社Stadtwerke Speyer(SWS)社と住宅公社GEWO社の協力の下、NTTドコモ、NTTファシリティーズ、旧日立化成、日立情報通信エンジニアリングからなるコンソーシアム主体で行われた。

実施に当たり、ドイツ側が実証サイトの選定や住民への対応、太陽光パネルの設置など、日本側がシステム運用・開発、設備導入、効果分析などを担当。スマートコミュニティ・エネルギーシステム部の櫻井愛子統括主幹は「住民がいる住宅で行ったため、シミュレーションとは異なり、実際の使用環境で検証できた」と話す。

戸建てを想定した世帯単位のモデルをタイプA、集合住宅を想定した棟単位のモデルをタイプBとした。再エネ機器をエネルギーマネジメントシステム(EMS)で制御することは、当時のドイツでは新しい技術だったという。

上がタイプA、下がタイプBのモデルイメージ図

実証の狙いは住宅への再エネ導入を促し、SWS社やGEWO社に新たなビジネスモデルを示すことにあった。結果としてタイプAでは約40%、タイプBでは約34%改善し、CO2の削減にもつながった。ビジネスモデルとしては両タイプとも、SWS社が設備を所有し需要家宅へ設置することを想定。利益確保と投資費用の回収が見込まれるとの結論に至った。

5年以上経った今でも、再エネの地産地消には拡大の余地がある。そのカギとなるのは、太陽光発電とHPの組み合わせかもしれない。