【四国電力 長井社長】幅広い事業で経営安定化 リーディング企業として 地域の発展を支える

2023年10月2日

顧客情報の不正閲覧 再発防止策に魂込めて

志賀 電力会社を巡っては送配電部門が管理する顧客情報の不正閲覧問題もクローズアップされています。再発防止に向け、5月中旬には政府に業務改善計画を提出しました。ただ、一部の有識者からは「四国電力のケースは災害時の情報共有のための必要最小限の情報に限定されており、ほかとは意味合いが違う」といった指摘もありました。

長井 ご指摘の側面はあるにせよ、それに甘えてはいけないと思います。お客さまの利便性向上のためとはいえ、新電力がアクセスできない情報を災害復旧時以外に使ったことは、やはり中立性・公平性が損なわれたと言われても仕方ありません。この点を真摯に受け止め、再発防止の取り組みを講じています。

志賀 改善に向けては社長自ら現場を訪れ、組織体制の見直しにも着手しましたね。

長井 まずはコンプライアンス意識を高めルールを浸透させること。さらにルールを逸脱していないか、相互に注意し合える職場風土の改善と業務フローの見直しなどに取り組んでいます。組織的には、新たに「行為規制遵守プロジェクト」を立ち上げ、行為規制に関する内部監査を専門的に行う「行為規制監査」を設置。外部の目でチェックする仕組みも導入しました。
 ただ、導入した仕組みを実際に生かすのは社員一人ひとりです。仕組みに魂を込めるため、私自身が現場を回って継続的に対話活動を行っています。訪問した現場からは、「迅速な災害復旧を第一に考えれば日頃から必要最小限の情報共有は必要ではないか」といった率直な意見がありました。現場の思いは分かります。しかし第三者から見て送配電部門の中立性・公平性に疑念を抱かれる対応は避けるべきであり、今後は電力ネットワークの中立・公平な利用の下で、災害復旧を迅速に進めるために、われわれが取るべき行動を徹底していきます。

志賀 現場と膝詰めで話ができたのですね。現場としては今後の停電発生時、自分たちの連携不足が原因で復旧が遅れた、なんてことは許されないとの思いでしょう。

長井 そうした安定供給にかける現場の思いは、今後もコンプライアンス遵守のもと、ライフラインを担う電力マンとして大事にしていきたいと思っています。われわれは東南海・南海地震という大規模災害も見据えつつ、足元の災害発生時にはたびたび送配電と連携して復旧に当たっています。昨年末の大雪では愛媛・高知県で大規模な停電が発生しましたが、災害時には当社と送配電が一丸となって早期復旧を目指すことがやはり重要です。

再エネ協業を広く模索 系統増強柔軟な議論を

志賀 さて、次は再生可能エネルギーの拡大方針に話を移します。50年カーボンニュートラル(CN)に向け、域外での太陽光発電事業を東京ガスの子会社と共同取得しました。

長井 30年度までに50万kW、50年度までに200万kWという再エネ導入目標を掲げました。ただ、四国の再エネ適地は限定的であり、日本全国、あるいは海外も含めて開発に臨んでいます。具体的には太陽光や風力・水力発電所の新規開発、あるいは既設水力については更新時の出力アップなどを講じ、昨年度末までに開発量は約30万kWに達しています。その一環で、東ガス系列のプロミネットパワーとも岡山・兵庫県での大規模太陽光で協業しています。

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