目指すは組織風土と文化の変革 グループ大で取り組む攻めのDX戦略

2023年10月4日

【九州電力】

九電グループはデジタルと人の力で新たな価値を創るビジョンを携え、DX先進企業を目指す。

自発的な学びを促し世代を超えたコミュニケーションづくりで企業変革に挑む。

九電グループは「九電グループ経営ビジョン2030」の実現に向け、DX推進を加速させている。DXを人や組織風土・文化の変革まで追求する「企業変革」への取り組みとして位置づけ、デジタル技術やデータを活用し、自社サービスやビジネスモデル、業務プロセスの抜本的改革を図るとともに、収益増大、新たな事業創出、生産性向上、業務基盤強化を目指す。

2022年7月、九州電力は「最高DX責任者」をトップに置くDX推進本部を発足させた。社内のITシステムを所管する情報通信本部や、業務主管部門と連携して施策を実行している。各業務主管部門には、変革のキーマンを「業務改革担当」としてDX推進本部と兼務する形で配置しており、各部門のDXをけん引する。

DX推進の基盤となる人材育成については、変革の機運醸成を図るため、22年度内に全社員を対象に「DXリテラシー研修」を実施。DXの概論や必要性の理解浸透を図った。その結果、今年4月に行った意識調査では95%がDXは必要だと回答。今年度からは、より発展的な教育を行う。

DXを「自分ごと」として捉え、主体的に進める人材「DXフォロワー」を育てる。対象者はe―ラーニングでデジタル技術やデータサイエンスなどを学び、自身の業務に生かす。25年度までに全社員をDXフォロワーにすることを目標としており、変革を支える人材を急ピッチで育成する考えだ。

変革のアイデアを全社から幅広く募る仕組みも整えた。社員が日常的に思いついたアイデアが見逃されないよう、グループ大での情報共有を図るDX推進サイトに、今年度から「アイデアボックス」を設置。投稿されたアイデアの中から、DXにつながりそうな提案について業務主管部門と協働で取り組み、推進を図る。

7月まで営業所に勤務していたDX戦略グループの川口舞さんは「営業所ではペーパーレスから取り組んだ。小さな意識改革がDXの始まりになる」と、最初の一歩を踏み出す重要性を話す。

DX戦略グループの内野さん(右)と川口さん


逆メンターの導入 交流で互いの視野を広げる

新たな取り組みとして、経営層を巻き込んだ「逆メンター」制度も開始した。一般的なメンター制度と異なり、若手社員が指導者の立場で、経営層に対して最新のデジタル技術などの知見について指導する方式だ。経営層一人につきメンターは二人。公募制を取る。

経営層にとっては、デジタル技術の知見にとどまらず、若い世代のトレンドや人生観、職業観など生の声を聞ける機会となり、メンターにとっては、普段接する機会が少ない経営層の考え方に触れることで視野を広げ成長の機会となる。5月から社長と副社長に実施しており、今後は対象者を拡大する。経営層、メンターの双方から「今まで聞けなかったことを聞くことができた」と好評を得ている。

フラットな組織風土醸成を目指す「逆メンター」(中央=池辺和弘社長)

1 2