【中国電力 清水社長】事業環境変化に合わせ、成長に向け加速していく

2020年8月2日

2020年代を勝ち抜くため、環境の変化を踏まえて新グループ経営ビジョンを策定。成長戦略を再構築し、社会の要請にも応えていく。

清水希茂(しみず・まれしげ)1974年大阪大学基礎工学部卒、中国電力入社。2007年執行役・電源事業本部副本部長、09年常務、11年副社長、16年4月から現職。

志賀 新型コロナウイルスの感染は終息に至っていません。電気事業では、万一従業員に感染が広がったら、電力の安定供給に支障が出かねないと思います。感染防止にどのような取り組みをしていますか。

清水 中国地域で新型コロナウイルス感染症への感染者が確認されて以降、対策本部を設置して対応を行っています。今も感染は完全には収まっておらず、引き続き感染予防対策に取り組むとともに、国の方針などに基づき、電力の安定供給と安全の確保を前提に、時差出勤や在宅勤務なども活用しながら取り組んでいます。

中でも、電力の安定供給を直接担う箇所については、中国電力ネットワークをはじめ、グループ全体で追加の取り組みを行っています。

志賀 具体的には、どういった取り組みを。

清水 発電所の中央制御室や中央給電指令所などに入室する際のマスク着用や手の消毒を例外なく実施することはもちろん、例えば、当直要員が通勤する際の感染リスク低減を図るため、公共交通機関は使わず、私有車で通勤することなどを徹底しています。引き続き、社員などの感染防止対策を徹底し、電力の安定供給維持に支障をきたすことがないよう取り組んでいきます。

非効率石炭の規制 安定供給に配慮を

志賀 梶山弘志経済産業相が非効率石炭火力のフェードアウトに向け規制的措置を導入する方針を打ち出し、経済産業省で本格的な議論が始まります。石炭火力の依存度が比較的高い中国電力への影響は大きいと思います。

清水 非効率石炭火力のフェードアウトの方向性については、第5次エネルギー基本計画で示されており、今後、経済産業省が設置する有識者会議において具体的な検討が進められるものと認識しています。

今後の議論にあたっては、雇用や立地地域への影響、安定供給面などを熟考いただき、丁寧に検討していただくことが重要であると考えています。エネルギー自給率が先進国の中でも極めて低いわが国においては、「S+3E」を同時に達成することが非常に重要であると認識しています。

志賀 ぜひ、低廉で安定した電力の供給が損なわれないような制度にしていただきたいと思います。

新ビジョンを策定 成長に向け加速

志賀 今年1月にグループ経営ビジョン「エネルギアチェンジ2030」を公表しました。どのような狙いがありますか。

清水 送配電部門の法的分離という転換期を迎えるに当たり、当社グループの将来展望を示すべく新しいビジョンを策定しました。今後の事業環境変化に合わせ、ギアを変えながら成長に向けて徐々に加速していくという取り組みのイメージを「エネルギアチェンジ」という言葉で表現しました。

「思考様式」「行動様式」「グループマネジメント」の三つをギアチェンジしていくことにより、当社グループを力強く前進させていきたいと考えています。

安全対策工事が進む島根原子力発電所2号機(手前)と3号機

志賀 ポイントはどこに。

清水 一言でいえば、「20年代をどう勝ち抜くか」です。20年代を勝ち抜くため、成長戦略を再構築するとともに、SDGsなどに代表される社会からの要請も取り込んだ上で、三つのミッションを設定しました。エネルギー事業を基盤とし、事業者として変わりなく使命を果たしていくこと、新たな事業に挑戦していくこと、そして、多様な人材の活躍を進め、魅力ある企業グループを目指していくことを掲げています。

また、30年度の利益・財務目標について、それまでの10年間でキャッシュフローの均衡を図りつつ、既存事業や新たな事業への投資、株主還元などのバランスを取ってキャッシュ配分をしていくことで、達成を目指していきます。

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