【中国電力 中川社長】信頼回復に努めるとともに市場リスクを低減・回避し経営体質の強化を図る

2023年11月1日

志賀 規制料金の値上げは43年ぶりです。

中川 不適切事案により、お客さまをはじめ関係者の皆さまに多大なるご心配やご迷惑をお掛けする中での値上げ申請となってしまいましたが、当社の収支・財務状況が厳しく、電力の安定供給の継続に支障をきたしかねない状況に至ったため、苦渋の決断で料金見直しを行わせていただきました。

当社は、東日本大震災以降も規制料金を値上げ改定せず、業績の回復に向け、市場価格の変動リスクの低減に向けた取り組みやグループを挙げたさらなる効率化に最大限努めてきましたが、昨今の価格高騰による影響は桁違いであり、企業努力で対応できる限界を大きく超えていました。

このたび、燃料費調整の上限超過や燃料・電力市場価格の高騰などを総合的に勘案し、電源構成や原価を見直せたことには非常に大きな意味があります。

ただ、燃料価格は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う急騰後、いったんは下落基調となったものの、中国経済の動向や欧州の気象条件などによる変動リスクは依然としてあります。そこで、所要量の確保を最優先に、従来よりも早期の燃料調達に取り組んでいるほか、売買契約の更改や価格の値決め時期の分散化、金融取引による価格固定化などにより、燃料価格の変動リスクの低減にも努めています。

また、当社はこれまでも徹底して効率化に取り組んできましたが、効率化には終わりがないと考えており、引き続き努めていきます。

志賀 入社以来、主に火力、企画畑を歩んでこられました。電力マンとして強く印象に残っていることは。

中川 1998年に運転を開始した三隅発電所1号機(石炭、100万kW)は、本社での建設計画から現地での工事・運転開始までの一連のプロジェクトに関わりました。当時としては最先端のUSC(超々臨界圧)発電方式ということもあって、非常にやりがいを感じるプロジェクトでした。

志賀 経営企画部門時代には、需給・トレーディング部門を立ち上げています。

中川 需給・トレーディングの仕組みを構築する上で、最も大きなプロジェクトがシステムづくりでした。他社に先駆けて取引の自動化を進め、電力取引で3交替勤務をしていない会社は珍しいのではないかと思います。さまざまな市場取引が併存し、将来の(kW時、ΔkWの)同時市場への移行なども踏まえると、人間だけでは対応しきれない時代が来ることが想定されます。また、時代とともに変わるルールにしっかり対応していくとともに、今後もできる限り取引の自動化を進めていきます。

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