【中国電力 中川社長】信頼回復に努めるとともに市場リスクを低減・回避し経営体質の強化を図る

2023年11月1日

30年度CO2排出半減 地域のCN化にも貢献

志賀 電力市場の健全な競争環境の確保を目的として、内外無差別な卸取引が求められています。どう対応していますか。

中川 当社は2021年4月に社内取引価格を設定し、昨年10月に相対取引の標準メニューを設定・公表した上で、社内・社外にかかわらず同じスケジュールで募集するなど、内外無差別な卸売りを実施してきました。現在、国において、小売事業の健全な競争を実現するための対策として、内外無差別な卸取引のさらなる強化に向けた議論がなされていますので、今後の議論動向に適切に対応しつつ、引き続き、電力の小売り、発電の各事業を通じた収益最大化を図っていきます。

志賀 再生可能エネルギーなど、カーボンニュートラル(CN)にはいかに取り組みますか。

中川 当社グループでは、今年4月に公表した「中国電力グループ カーボンニュートラル戦略基本方針」において、供給側であるエネルギーの脱炭素化、需要側であるお客さま・地域の脱炭素化の両面に取り組むこととしています。

エネルギーの脱炭素化には、S+3Eの同時達成が不可欠です。安全の確保を大前提とした原子力の最大限の活用はもとより、脱炭素化と競争力強化に向けた電源構成を達成するための新たな技術開発や活用など、複線的なシナリオを描きながら、打ち手を幅広く検討する必要があります。30年度までに再エネ導入量を19年度比で30万~70万kW増やすことを目標としています。これまで取り組んできた既存水力の出力増、木質バイオマス発電や太陽光PPA(電力販売契約)事業の展開などにより、今年度は約30万kWの新規導入を達成する見込みです。引き続き、最大限の導入拡大に取り組んでいきます。それに加えて、島根2、3号機の稼働や経年火力の休廃止など、CO2排出削減に資するさまざまな取り組みを進めていくことで30年度までに13年度比でCO2排出量の半減を目指します。

USC方式の採用とバイオマス混焼で環境適合性を高めた三隅発電所

一方、お客さま・地域の脱炭素化に向けては、電化の推進、再生可能エネルギーの活用拡大や分散型エネルギーリソースの活用などのサービスを展開することで脱炭素化に貢献したい考えです。また、中国地域を基盤とするグループとして、ネットワーク設備の高度化にも取り組んでいきます。

今年、環境省が募集する「脱炭素先行地域」に島根県松江市が選定され、当社は共同提案者として参画しています。これは、昨年から松江市、山陰合同銀行との三者間で連携協定を締結して応募に向けて協働したことが結実したものです。このように他業種や自治体などと積極的にタッグを組み、地域における脱炭素化に貢献しつつ、地域とともに発展していきたいと考えています。

1 2 3 4 5