【中国電力 中川社長】信頼回復に努めるとともに市場リスクを低減・回避し経営体質の強化を図る

2023年11月1日

志賀 島根2号機の82万kW、3号機の137万kWの稼働は、経営上も大きな意義があります。

中川 島根2号機が再稼働することにより、燃料価格に基づく試算で年間800億円程度の原料費減少につながります。さらに、3号機も合わせれば年間670万t程度のCO2を削減できると試算しています。50年CNの実現には、島根2、3号機の稼働が非常に重要な役割を担うことに加えて、安全対策コストを踏まえても、中長期的には、当社の業績の回復や経営安定化にも寄与する重要な大型電源です。

志賀 山口県上関町で使用済み核燃料の中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討を進めることを表明し、大きな話題となりました。

中川 原子燃料サイクルを確実に回すために中間貯蔵施設が必要であり、これまでもさまざまな取り組みがなされてきました。

昨年6月に島根2号機の再稼働について地元同意をいただき、再稼働時期が具体的に近づいてきたこと、一方で、昨年末には、六ヶ所再処理工場の竣工時期の2年間延期が公表されたことから、再稼働後の長期安定運転に向け、使用済み燃料の貯蔵対策に万全を期すための中間貯蔵施設の検討の必要性が高まっていました。そのような中、今年2月に上関町長から喫緊の課題として新たな地域振興策を検討してほしいとの強い要請がありました。上関地点で中間貯蔵施設を設置することが新たな選択肢の一つになるのではないかと考え、調査・検討を行うことにしました。現在は、調査することをご了解いただいた段階です。

上関にしても島根にしても、当社が長年地元の皆さまと培ってきた信頼があってこそ成り立つ事業ですので、安全第一に調査を進め、町民の皆さまなどへの情報提供などにつきましても、ご要望を踏まえながら丁寧に対応していきます。

志賀 中国地域の脱炭素化と経済活性化に大きな役割を果たすことを期待しています。本日は、ありがとうございました。


対談を終えて

文字通りの難問山積の最中に社長就任も表情は明るい。知識欲が旺盛で常に学ぼうとする姿勢、自ら考える習性で難問に立ち向かう。大きいモノを造りたいとの思いで、大学は機械工学を選択し、中国電力に入社。石炭火力の三隅1号機では建設計画から現地での工事・運転開始まで手掛け、夢を実現させた。また、電力需給トレーディングのシステム構築では、他社に先駆けて取引の自動化を実現させた。穏やかな紳士の表情の中にも、強烈なリーダーシップが感じられる。(本誌・志賀正利)

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