【特集2】森林保全活動で地域活性化 CO2吸収以外の利点も

2023年11月3日

【広島ガス】

広島ガスの2050年カーボンニュートラル(CN)達成に向けた取り組みの一つに、森林保全活動がある。CO2の吸収に加え、雇用の創出や防災、生物多様性の保全など地域活性化と環境保全に貢献する取り組みだ。同社の森林保全活動は①地域貢献型、②分収造林型、③土地購入型―の三つのパターンで展開される。

広島ガスが森林保全活動を開始したのは、19年11月のことだ。広島県緑化センター内に「このまち思い 広島ガスの森」を開設。これが①に当たる。地域住民の憩いの場となるようベンチの設置や、木の生育を妨げる余分な樹木の除伐体験、新入社員による植樹などを行っている。顧客向けの除伐体験は今年で5回目を迎え、希望者は定員の4~5倍の人気ぶりだ。

除伐体験は親子連れを中心に好評だ

②は林野庁と分収造林契約を締結。分収造林とは、国以外の造林者が国有林に木を植え育成し、成木を販売した収益を国と分け合う制度だ。広島ガスはこの制度を用い、20年11月に神石高原町の星居山を開設。今年11月には同町の石屋山に「このまち思い 広島ガス神石高原の森」を開設する。

このほか、森林地を購入する形で、昨年1月に広島県竹原市に「このまち思い 広島ガス竹原の森」、今年2月に北海道日高郡に「このまち思い 広島ガス日高の森」を開設。これが③だ。竹原の森の未利用木材は、同社と中国電力が共同で運営する海田発電所でバイオマス発電に使用している。

「森林保全を手掛けるガス会社は他にもありますが、三つの型で幅広く展開しているのが当社の特徴」と、環境・社会貢献部環境グループの藤永展章氏は語る。

星居山の除幕式

地元の森林組合と連携 地域産業の下支えも担う

「われわれに森林保全の知見やノウハウはないので、地域の森林組合の協力を仰ぎながら進めている。SDGsにはパートナーシップの項目もあるが、本当によきパートナーに恵まれた」と話すのは、同部の永田征人マネジャーだ。植樹や除伐はもちろん、雑草の除去、鹿などによる食害対策、急斜面での作業など、森林保全には専門的な技術が求められる。こうした場面において森林組合との連携によって産業を下支えし、地域活性化につながるという。また、森林には土壌に水を貯える水源涵養の機能があり、土砂崩れなどを防ぐ役割も担っている。

将来的には森林保全活動を拡大しつつ、環境価値の使い道についても調査・検討を進めたいという。多くの利点を持つ森林保全活動を通じたCNに期待が高まる。