脱炭素化で地元企業と連携 PPAで地域のニーズに応える

2023年11月6日

【北陸電力】

脱炭素社会の構築に積極的に貢献する北陸電力は、太陽光発電を軸にさまざまな事業を展開している。

地域の脱炭素化という共通目標を持つ北陸銀行に対して、オフサイトPPAによる電力供給が開始された。

エネルギー政策において2050年カーボンニュートラル(CN)の目標が掲げられ、各地で脱炭素社会構築の取り組みが本格化している。

地域の脱炭素化をリードする北陸電力は、企業や家庭の脱炭素化のニーズを踏まえて、さまざまな提案活動を実施。自社電源の脱炭素化にとどまらず、北陸地方の脱炭素化にも積極的に貢献することで、CNの実現に向けて大きな役割を果たそうとしている。

9月1日、富山市で「ほくほくソーラーパーク富山県大沢野(以下、ほくほくSP)」が運転を開始した。パネル容量3201kW、年間発電量は北陸銀行の北陸3県の店舗で使用する電気の25%に相当する約330万kW時。北陸電力ビズ・エナジーソリューション(北電BEST)が所有・運営し、電気は全て北陸電力が20年間、北陸銀行に供給する。太陽光発電によりCO2フリー電気を供給するオフサイトPPA(電力購入契約)のビジネスモデルだ。

ほくほくソーラーパーク富山県大沢野

ほくほくSP建設のきっかけは、昨年10月に北陸電力と北陸銀行が結んだCN推進に関する連携協定。北陸地方のリーダー企業の一つとして、金融で地域経済を支える北陸銀行は、地域でのCNの実現に熱心に取り組んでいる。地域の脱炭素化という共通目標で、北陸電力と方針が一致。電力側はエネルギーソリューション、銀行側はファイナンスソリューションと、それぞれ社内に蓄積されたノウハウやネットワークを最大限活用し、地域のCN実現の取り組みを支援する協定を結んだのだ。

ほくほくSPは協定の内容を実践する取り組みの一環。運転開始により北陸銀行は年約1600tのCO2を削減。北陸電力のPPAは発電所設置後、メンテナンスは北電BESTが行うことから、20年間にわたり、メンテナンスフリーでCO2フリー電気の安定供給を受けるメリットは大きい。

もちろん、経済面でのメリットもある。太陽光発電所の設置には多額の初期投資が必要になるが、北陸電力のPPAは初期投資が不要。また、ほくほくSPのように、使わなくなった需要家のグランドなどの遊休地や空きスペースを有効活用することで、事業全体のコスト削減が可能になる。

一方、北陸電力にとってPPAは、社会が脱炭素化に向かう中で、事業の柱の一つになり得るビジネスでもある。同社は専門チームが積極的な提案活動を行い、既に多くの実績を残している。

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