脱炭素化で地元企業と連携 PPAで地域のニーズに応える

2023年11月6日

昨年6月、北陸3県のセブンイレブン約300店舗に太陽光発電の電気を供給する発電所が福井県坂井市で運転を開始した。CNに向けた取り組みとして再エネの電気を導入しているセブンイレブン・ジャパンの求めに応えたもので、北陸電力にとって初のオフサイトPPA案件でもあった。

PPAの事業展開は北陸エリアにとどまらない。来年春には北海道白糠町で北電BESTの太陽光発電所が運転を始める。北電BESTが北海道電力に卸供給し、北海道電力が道内の北海道銀行と北陸銀行に電気を供給する予定だ。

法人向けPPAサービスは開始以降、百件近くの成約を重ね、現在も数十件の問い合わせがあるという。一口に太陽光発電の設置といっても、日照や地理的な条件などで稼働率や発電量はさまざまで、需要家の要求も多岐にわたる。今後も需要家側のニーズを踏まえて「オンサイト、オフサイトを問わずお客さまにとって最も効率的なPPAモデルを提案していく」(CNビジネス開発チーム・田村雅英副課長)としている。


太陽光に蓄電池を併設 DRサービスも選択肢に

北陸電力は家庭向けの太陽光発電の普及にも力を入れている。21年7月に初期投資ゼロで太陽光発電を設置する既築住宅向け「Easyソーラー」のサービスを開始。今年9月には太陽光発電と蓄電池をセットで提供する「創蓄プラン」のサービスを始めた。

使い切れずに余った電力を自家消費に使用できる、停電時や災害発生時に非常用電源として蓄えた電気を利用できる―。家庭にとって蓄電池を併設することのメリットは大きい。

初期投資は要らず、使用料は月額2万4000円(工事費込み)から。契約期間(10年間)が終了した後、機器はユーザーに無償で譲渡される仕組みだ。

蓄電池を活用したデマンドレスポンスサービスの概要

さらに北陸電力は、創蓄プランに蓄電池を活用するデマンドレスポンス(DR)のサービスもオプションとして提供する。これは市場価格の高騰や電力需給ひっ迫が起きた際、遠隔制御で蓄電池の充放電をコントロールし、再エネ電源の有効活用や電力設備全体の効率運用を行うものだ。コントロールする際も停電時に必要な蓄電量は残し、また家庭には対価が支払われる。需要家にメリットを提供しつつ、電力需要を調整することで、再エネ電源の出力制御抑制の軽減といった社会的課題の解決を図り、さらなる再エネの導入拡大につなげようという考えだ。

CNビジネス開発チームの竹内那央人副課長は「これからは家屋への太陽光発電の設置が標準化していく。初期投資がネックとなり、ためらうお客さまが多いが、メリットを丁寧に説明して、導入する家庭を増やしていきたい」と話す。

CNビジネス開発チームは、太陽光発電の持つポテンシャルを最大限活用しようと考えている。風力・水力発電やバイオマス発電と組み合わせたCO2フリーの電気供給や、ビルや工場に蓄電池を併設したDRサービスなど―。アイデアは尽きない。北陸電力はCN実現に向けて、さまざまな事業の可能性を追求していく考えだ。

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