【特集2】着実なトランジションでCNに貢献 地域課題解決で幅広い役割を発揮

2023年11月2日

地域活性化フォーラムなどでガス事業者の取り組みを後押し

地域課題解決の手段 優良事例を水平展開

―CN化は都市部だけでなく地域社会の巻き込みも重要ですが、多くが少子高齢化など積年の課題を抱えています。こうした地域の問題に、都市ガス事業者はどう向き合いますか。

本荘 地域脱炭素化の要請という新たな課題に対し、都市ガス事業者が貢献できるポテンシャルはとても大きいと感じています。ガス事業者が中核となり、再生可能エネルギーを調達・供給して地産地消を図る事例も増えており、エネルギー関連の収益が地域内で循環する「地域経済循環」、そして地域の低・脱炭素化と活性化を両立させる取り組みとして注目されています。

 日本ガス協会の役割としては、こうした活動の具体化に悩む事業者に対して、好事例の紹介や活動の具体化に向けた支援を行うことが重要になります。

―具体的に、協会の支援体制の中身は?

本荘 自治体への提案支援、国などのステークホルダーへの働きかけ、技術面などで事業者をサポートしていく考えです。

 例えば、地方の事業者が比較的取り組みやすいCNの手段の一つがバイオガス利用です。鹿児島県の日本ガスは、自治体と連携してごみなどからバイオガスを生成し、都市ガス原料として活用を開始しています。しかし、こうした取り組みはまだ事例が少なく、ガス協会では知識やノウハウを水平展開すべく、十数社が参加する「バイオガス活用研究会」を立ち上げました。事業者が具体的なプロセスや課題を実例から学ぶことができるのは有意義な機会だと考えています。

 また、地域課題を解決する取り組みを事業者自らが創出することを後押しするために、「地域活性化フォーラム」などのイベントも開催しています。


エネルギー供給以外も 地域の魅力拡大を支援

―地域活性化における都市ガス事業者の強みとは何でしょうか。

本荘 やはり地域密着の事業・サービスの提供です。地域課題解決に向けた市町村とガス事業者の連携は、双方にメリットをもたらします。エネルギー分野に限らず、都市部への人口流出の食い止め、子育て世代の地元定着に取り組む事例も出てきました。

 例えば前者の関連として、空き家の増加が全国的な課題となっています。地域の魅力を低下させ、地域密着のガス事業にも影響が生じかねません。今年6月に「改正空き家対策特別措置法」が成立し、自治体は一層の対応を講じる姿勢ですが、地域での信頼やお客さまとの接点機会を多く持つガス事業者との連携が有効だとの声も聞こえてきます。実際、直接的なエネルギーサービスではないものの、空き家管理サービスなどに力を入れる事業者も登場しています。

―では、子育て支援に資する取り組みとはどのような内容でしょうか。

本荘 ガス事業者による子育て世代が住みやすい街づくりへの挑戦も、注目されています。自治体とも連携しながら事業者が自ら保育園を設立し、子育て世代の定住に向けて取り組む事例が出てきています。暮らしに身近なガス屋さんとして存在感を高めるとともに、地域活性化の一翼を担っています。

 これらは必ずしもすぐガス需要の拡大に結びつくものではありません。しかし、地域の発展がガス事業者の持続的な成長につながるという視点は大事だと思います。

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