【特集2】南部幹線で都市ガス導管網を拡充 高速道路周辺の新規需要にも照応

2023年11月3日

【東邦ガス】

愛知県の三河方面への高圧導管の新設で、増える産業立地に対応する。モノづくりの拠点となる東海地区の都市ガス安定供給の要だ。

昨年、創立100周年を迎えた東邦ガス。その導管部門を担うグループ会社として、同じく昨年誕生した東邦ガスネットワークは、東邦ガスの創業時約300kmだったガス導管を100倍にあたる約3万kmまで延伸し、東海エリアのさらなる都市ガスの安定供給に努めている。

現在、愛知県三河方面の将来的な都市ガス需要に対する輸送能力増強と安定供給に加え、既設の高圧幹線の複線化を図る目的で、知多市から安城市までの約30kmを結ぶ「南部幹線プロジェクト」を進めている。

高圧と中圧の導管が並ぶ

主要ネットワークは、名古屋市を中心に構築した環状の高圧輸送導管網だ。これまで三河方面へのガス供給はこの環状幹線を経由していた。新設の南部幹線を利用することで、知多地区のLNG基地から直接供給が可能となる。

これにより「三河地域の需要対応だけでなく、環状幹線北側の岐阜方面への都市ガス輸送能力も増えるなど、結果的にネットワーク全体の輸送能力増強、供給安定性の向上につながる」と、東邦ガスネットワーク企画部の林口暢高計画グループマネジャーは話す。

既設幹線の複線整備進む 導管網全体の供給増へ

今年6月には知多半島から半田市までの約15kmを結ぶ一期工事が完了し運用開始となった。安城市までの残り約15kmの二期工事が進行中で、2025年度の完成を目指し、工事を進めている。

導管部幹線センター広域パイプライン建設課の竹内幹晋課長は、「工事を行う際の現地調査などにドローンといった先進技術を活用している。作業効率も上がった」と説明する。

狭いトンネル工事の様子

現在、建設中の南部幹線二期などの工事を確実に遂行する一方、岐阜県や三重県では東海環状自動車道が整備され、新設されるインターチェンジの周辺では新たな産業立地も進んでいる。

「お客さまのニーズや地域で将来生まれる需要をくみ取って、的確に導管網の整備を進めていきたい」。林口氏はこう強調する。

50年のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが進む中、トランジション期は環境負荷低減に寄与する天然ガスの需要が高まっている。東海三県は、自動車産業を中心にモノづくりが盛んな地域だ。同社は低炭素ニーズに応えながら、安定供給を実現できる都市ガスの供給にこれからもまい進していく。