電気工事の測定記録を支援 DX化で煩雑な業務を効率化

2023年12月18日

【関電工】

建設業や電気工事業などで欠かせないのが、品質を担保する「データの測定・記録」だ。煩雑なこの作業に、現場では頭を悩ませてきた。例えば完成間近のビルの建設現場では、空調温度はしっかり制御されているか、フロアの照明は設計通りの照度になっているかなど、何百何千ものデータを測定・記録する必要がある。測定後の事後処理も煩雑だ。そのデータを社内に持ち帰り所定のフォーマットに再度入力し、最終的な報告書に仕上げる。入力ミスも生じる。

そうした改善アイテムとして「通信機能付きの測定器」が登場している。測定器で記録したデータを通信でエクセル記録に落とし込むようなソフトウェアだ。ただ、この方式だと個々の測定器メーカーの専用のソフトウェアに限定される。これではさまざまなメーカーの機種を使って測定している現場では不便だ。効率化できないものか―。そこで、電気工事を手掛ける関電工の技術部門が知恵を絞り編み出したのが、測定や記録のDX化を支える「BLuE」と呼ぶシステムだ。


共通のプラットフォーム ユーザー目線で構築

「一言で説明すると、多様なメーカーの測定値を取り込むことができる『共通プラットフォーム』を作った。現場に持参した測定器から値を読み込み、PDFやエクセルなどの図面や帳票に一瞬にして自動的に反映させる。事後処理も不要だ。電気工事に限らず測定業務であればあらゆる業界で利用可能だ」。戦略技術開発本部技術研究所の中島栄一副長は説明する。

共通プラットフォームで多様なメーカーの測定値を取り込む

関電工は、このプラットフォームの通信仕様を開示しているので、BLuEのユーザーは自由にアプリケーションを自作できる。昨年6月にサービスをリリースしてから1年ちょっとで社内ユーザーは1000件を突破し、測定地点は20万地点を超えたという。同社の試算では、測定100地点で約1時間の業務効率化を実現するそうだ。さらに、データが正確で報告書の信頼性も向上している。

それにしてもなぜ、電気工事を手掛ける関電工がこうしたソフトウェアを開発できたのか。それは同社がさまざまなメーカーの測定器を使い、常に現場でデータを測定しているヘビーユーザーだからだ。「これまでの不便が身に染みていた」(中島氏)。ソフト開発は手探りで、ゼロベースから試行錯誤で開発にこぎつけたそうだ。

「24年問題などで現場では『改善』が求められている。貢献できたら幸いだ。ただ当社の本業は、あくまでも電気工事。このシステムを使ってまずは現場の業務負荷の改善を進めたい」と中島氏は話す。