【特集3】電力会社ならではの物件開発 関西デベロッパー最上位目指す

2023年12月3日

関西電力グループの中核を担う関電不動産開発は国内外に事業を拡大している。ESG投資に注目が集まる中、エネルギー会社の知見を生かした開発に注力する。

【インタビュー】藤野研一/関電不動産開発社長

ふじの・けんいち 1989年3月早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、関西電力入社。お客さま本部副本部長、執行役員営業本部副本部長を経て、21年6月から現職。

―会社設立から現在までの事業状況についてお話頂けますか。

藤野 当社は2016年に旧関電不動産と旧MID都市開発を統合し設立されました。旧関電不動産は、関西電力の本支店ビルや社宅、社員寮などの保守維持管理をメインとする会社でした。統合によってMID都市開発の強みを生かして総合デベロッパーとなり、分譲事業と賃貸事業、フィービジネスの三本柱で展開しています。

 分譲マンションは「シエリア」ブランドで販売しており、近畿エリアでは昨年1141戸を販売し、2年連続販売戸数で第1位になりました。賃貸事業はオフィスビルをはじめ、ホテルや物流、商業施設などを手掛けています。

 フィービジネスでは私募REITの資産運用を行う「関電不動産投資顧問」を18年に設立しました。当社が所有する物件を私募REITに組み入れ、年1回増資するタイミングで資金を募り運用しています。資産規模は今年で500億円を超えました。

―国の50年カーボンニュートラル宣言以降、顧客の環境意識への高まりを感じますか。

藤野 お客さまからの環境や省エネに関する質問が増えています。当社はエネルギー会社の子会社であり、新築のマンションや戸建て、オフィスビルなどはZEH/ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス/ビル)対応を標準化しています。当社がJV幹事企業の物件は全て導入しています。また、テナントの賃貸物件では、主に外資系企業からゼロカーボン電気を買いたい、RE100に対応した電気を買いたい、との要望を受けます。住宅でもZEHオリエンテッドの建物と説明すると反応するお客さまが増えています。私募REITでも、投資家はESGに取り組んでいるかを判断材料にします。このため、さまざまな環境認証を積極的に取得しています。

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