目指すは大型水素発電の商用化 「高砂水素パーク」が稼働開始

2023年12月10日

【三菱重工業】

国の目標よりひと足先にカーボンニュートラルを目指す三菱重工業は水素専焼発電の開発に注力する。

この開発の一大拠点となるのが同社高砂製作所内に開設した「高砂水素パーク」だ。

CO2フリーの次世代燃料として期待されている水素―。この早期実用化に向けて、三菱重工業はガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電の製造拠点である高砂製作所内に、水素の製造から発電まで一貫して実証可能な「高砂水素パーク」の本格稼働を開始し報道陣に公開した。

高砂製作所内の「高砂水素パーク」全景

同パークは水素の製造、貯蔵、利用の三つのエリアに分かれている。水素製造においては、さまざまな製造方式がある中、世界最大級の水素製造能力1100N㎥時を有するノルウェーハイドロジェンプロ社製のアルカリ水電解装置を採用した。5万1000kW規模のアルカリ水電解装置であり、大型セルスタックでアルカリ水溶液を水素と酸素に分解し、水溶液混じりの水素をガスセパレーターで水素とアルカリ水溶液を分離させる仕組みだ。

三菱重工は米国ユタ州で再生可能エネルギー由来の水素を利用したGTCC発電プロジェクトでインターマウンテン電力向けに水素焚きJAC形2基(84万kW)を導入している。同プロジェクトではグリーン水素を製造する設備の導入も三菱重工が担当しており、ハイドロジェンプロのアルカリ水電解装置を22万kW分に当たる40台を導入している。

高砂水素パークにも、ハイドロジェンプロ社の装置を1台導入した。同装置で1日半程度かけて3・5t分の水素を製造する。水素は隣接する貯蔵施設に貯める。1本当たり10‌kgの水素タンクが350本あり、約20MPaで圧縮して貯蔵する。

東澤隆司GTCC事業部長は「水素混焼の実証は30%から開始する。製造した水素を利用してGTCCをフル稼働すると、1時間程度で消費してしまう。来年には50%混焼を実施するため、タンクを現状の約3倍に増やす」と話す。

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