商用車のEV化をAIでサポート 効率的な充電や運行をマネジメント

2023年12月12日

【中部電力】

中部電力はアークエルテクノロジーズと共同で、路線バスや配送トラックなどの商用電気自動車(EV)向け充電マネジメントシステム「OPCAT(オプキャット)」を開発し、9月下旬にサービスの受付を開始した。


充電・運行を一括管理 コストを最小限にとどめる

カーボンニュートラル(CN)実現に向け、商用車の電動化が急務となっている。複数台の充電設備を設置する事業所が増え、設備増強にかかるコストや充電が集中することによる電気料金(契約電力)の上昇など、経済的な負担が課題だ。

こうした課題に対し、両社は2022年から、複数台配備されたEVの充電スケジュールをAIにより自動生成し、運行に必要な電力量を効率的に充電するEV充電マネジメントシステムの実証・開発を進めてきた。システムの実証・開発には、施設の電力需要予測や時間帯別の電気料金に加え、EVの運行計画や位置情報、電池残量などリアルタイムな車両データを組み合わせている。

電気料金の上昇の抑制と走行ルートの最適化を行う

OPCATでは、車両ごとの充電状態と次回の充電予定や充電器ごとの充電スケジュール、充電量や詳細な電力使用量などを把握可能だ。同システムの導入により、複数台のEVの充電を最適に制御し、施設全体の消費電力を抑えるピークカットと、電気料金の安い時間帯に充電をシフトするピークシフトを実現。EVの導入による経済的負担を最小限に抑えることが可能となる。加えて、運行計画を踏まえた最適な充電で、車両稼働率の向上と車両電動化によるCO2削減にも寄与する。

中部電力事業創造本部の石川和明部長は「国は公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置し、30年までにガソリン車並みの利便性の実現を目標に掲げている。これに伴い、バスやトラックなど商用車も電動化に向け、急速充電器の設置台数は拡大していくと想定。車両の複雑な運行計画を一括管理し、スマートな充電を行うことができるOPCATは、市場において優位だと考えている。アークエルテクノロジーズと共に、商用EVのさらなる普及に向けた課題解決・環境整備を進めていく」とコメント。アークエルテクノロジーズの宮脇良二CEOは「CNに向け、車両のEV化は必ず取り組むべきだが、充電が理由で切り替えが進まない事態も発生している。商用EV導入と運用への不安を払拭し、普及に貢献していきたい」と話す。両社はOPCATの提供を通じ、脱炭素社会の実現に貢献していく方針だ。