【特集2】大規模補助金で再エネ支援 自らも設備導入を加速

2024年1月3日

【東京都】

再エネ導入拡大に向けて事業者向けに手厚い支援策を打ち出す東京都。太陽光発電や蓄電池を中心に都内外での設置を支援し脱炭素を目指す。

2030年「カーボンハーフ」の実現に向け、都内の再エネによる電力の使用割合を50%にする目標を掲げている東京都。まずは徹底した省エネを進め、その上で必要なエネルギーを再エネでまかない、さらにエネルギーマネジメント技術を駆使しながら再エネ利用の最大化を目指している。

都では、事業者や都内区市町村が再エネや蓄電設備を導入するに当たって、年間100億円近くの予算を確保し、支援策を展開している。その枠組みは、「都内設置/都内消費・蓄電」「都内設置/都内蓄電」「都外設置/都外消費・蓄電」「都外設置/都内消費・蓄電」に区分しており、中でも注目されるのが「都外」(都外設置/都外消費・蓄電)を支援している点だ。

産業労働局産業・エネルギー政策部の遠藤洋明・事業者エネルギー推進課長はこう説明する。「都の再エネや蓄電設備の導入支援は、FITやFIP制度の認定を受けていない設備であることが前提で、都外といってもどこでもよいわけではない。あくまでも東京電力管内を対象としており、関東を中心としたエリア全体の再エネによる地産地消につなげていきたい」

ただ、都外で消費する場合は注意が必要だ。例えば都内に本社を置く事業者が、埼玉県内の自社工場の屋根に太陽光パネルを設置して都外消費する場合、都は導入コストの一部を補助するが、そのパネル発電分のCO2削減価値のうち補助相当分は証書として都内事業所に帰属させることが要件となっている。

都ではこうしたスキーム以外でも、大規模蓄電池に対して導入を支援している。東電管内の系統網に直接接続する「系統用蓄電池」向けだ。

「昨今、他エリアで電力の需給バランスを保つため、再エネ発電の出力抑制の回数が頻発している。都としても問題意識を持っており、蓄電池の導入を支援することによって電力の需給バランスを維持しながら、再エネ発電の機会損失を防ぎたい」(遠藤さん)

需要家としての対策進める 再エネ主体の電力調達

一方、東京都はエネルギーを消費する需要家としての顔を持つことから、都自らも再エネ設備を導入したり、再エネを中心とした環境価値の高い電気利用に積極的に取り組んでいる。環境局気候変動対策部の眞中賢二・率先行動担当課長は「設備導入については、都有施設の新築・改築時に加え、既存施設にも太陽光パネルの設置を進めている。その導入量は21年度に9320kWであり、30年までに設置可能な全施設に導入を目指す。施設の躯体・耐震性能の確認など膨大な作業が必要だが、目標に向けてまい進したい」と話す。

また再エネ電気の利用については事業者の入札などによって低炭素な電力を調達している。眞中氏は、「多様なプレイヤーが出てくる中、再エネを主体とした電力調達を牽引していきたい」と意気込みを見せている。