【特集2】北海道内の再エネ普及へ インフラを担い社会貢献

2024年1月3日

【トドック電力】

自社電源を保有し電力市場で存在感を発揮している伊藤忠エネクス。再生可能エネルギーの領域では、とりわけ北海道での取り組みが注目されている。

エネクスは2015年、王子グループと連携し「王子・伊藤忠エネクス電力販売」を設立。北海道を中心にFIT電源を含めた太陽光、水力、バイオマスなど全国7カ所の電源を整備・運用している。そのうち北海道には四つの発電所がある。

一方、北海道の生活協同組合、コープさっぽろとは15年に電力小売会社である「トドック電力」を設立した。エネクスはもともと既存事業である灯油・LPガス事業において、コープさっぽろグループでエネルギー事業を手掛けるエネコープ社と取引をしてきたこともあり、電力事業でも連携を深めることとなった。

トドック電力について、尾﨑信介社長は「再エネや環境価値の高い電気を道民に届けることを基本理念とし、設立当初はコープさっぽろの店舗向け高圧電力を中心に供給を開始した。16年の全面自由化とともに、家庭向け(低圧)電力を組合員向けに供給を拡大した」と話す。

道内人口510万人のうち、組合員は約200万人に上る。道内では約247万の世帯数であることをかんがみると、会員が占める世帯数割合は8割を超えており、トドックにとってこのマーケットは大きい。現状では世帯数の1割程度に、「再生可能エネルギー100%メニュー」として販売しているそうだ。中心となる再エネ電源は、江別市のバイオマス専焼電源である。道内の木材チップを中心に地産地消の電力を供給しており、さらに非化石証書を購入することで「再エネ電源」の提供を実現している。

道内の地産地消推進へ 生活インフラを支える

ただ、尾﨑社長は「われわれが目指す事業モデルは、地産地消によって環境価値の高い電気を地元に普及させ、道内の脱炭素化に貢献すること。単に非化石証書を購入するだけでは、地域における再エネ拡大に貢献するとは言い難い」と話す。

そうした中、伊藤忠エネクスとコープさっぽろは、新たな一手を打つことになった。道内の最大200地点にエネクス側が太陽光発電パネルを整備し、コープさっぽろが所有する。そして、自己託送制度を利用しながらコープさっぽろ店舗に電力を供給する。

その際、肝となる電力の需給調整システムはエネクスのノウハウを活用する。まさに、完全無欠となる地産地消型のCO2フリー電気である。

「北海道におけるコープさっぽろの役割は非常に大きい。食品の宅配などを通じて、生活インフラを担っているといっても過言ではない。過疎化が進む中、その存在感はますます高まっていくと思う。コープとエネクスの連携を通じて、インフラ企業としてさまざまな社会貢献を果たしていきたい」と尾﨑社長は強調する。

エネクスとコープさっぽろは自己託送を進める