名古屋港のCO2を海外で貯留 BPと協力協定で脱炭素化を支援

2024年1月10日

【中部電力】

中部電力は海外でのCO2貯留の検討を進める。2023年9月に、英石油大手BPの子会社BPベラウ社と、インドネシア・西パプア州のタングーにあるCO2貯留地を活用する実現可能性調査のための協力協定を締結した。両社はこの協定に基づき、愛知県名古屋港で排出されたCO2をタングーに貯留する事業の実現可能性を調査する。

BPベラウ社は、インドネシア最大のガス生産プロジェクトである「タングーLNG」のオペレーターで、権益保有者の代表を務めている。23年10月には、タングーLNGの第3系列が新たに稼働し、生産能力は年間760万tから年間1140万tに増加、国内の天然ガス生産量の約35%に貢献する予定だ。

BPがタングーLNGで運営するタングーCCUSプロジェクトは、21年にインドネシア政府より承認を受けて進められている。現在最も進んでいるCCUSプロジェクトで、CO2の貯留可能量は約18億t。同国初のCCSハブになる可能性がある。

中部電力グループとBPは、50年までに事業全体におけるCO2排出量をネット・ゼロにすることを目指している。

タングーにCO2輸送 アジアの脱炭素化を促進

中部電力とBPは今回締結した協定以前にも、23年2月に日本とアジア地域の脱炭素化に向けた協力協定を結んでいた。それにより、名古屋港周辺の脱炭素化支援に取り組んでいる。名古屋港は貨物取扱量が日本最大の港で、日本のCO2総排出量の3%を占めており、30年度までに13年度比で46%削減する目標を掲げている。目標達成のため、BPの大規模CCSプロジェクトの開発経験と、中部電力の中部エリアでのエネルギー事業者としての知見を組み合わせ、日本とアジア地域の脱炭素ソリューションの促進に向けて検討を進めていく。

中部電力の岸久嗣氏(右)とBPのキャシー・ウー氏
提供:Indonesia CCS Center

締結に際してBPのキャシー・ウーガス&低炭素エネルギー、アジア太平洋地域社長は、「BPと中部電力は長年にわたり関係を育んできた。この協定はインドネシアと日本のネット・ゼロ目標達成を支援するため、両社がCCUSのイニシアチブを通じて継続的に協力していくことを表している」とコメントしている。

一方、中部電力の佐藤裕紀グローバル事業本部長は、「相当量のCO2貯留が可能だと期待されている、タングーという貯留地を特定して実現可能性を調査できることは、名古屋港CCUS事業にとって、重要なマイルストーンになる。日本政府の掲げる30年のCCS事業の実現に向け、BPと協力してタングーの評価に取り組んでいく」と話している。