袖ケ浦LNG基地が50周年 CNに向かい新たな役割発信へ

2024年1月14日

【東京ガス】

LNG取扱量が国内最大規模で、東京ガスのガス輸送量の4割を担う袖ケ浦LNG基地が、1973年の操業開始から50年を迎えた。時代の移ろいとともに基地に求められる役割も変遷する中、都市ガスの安定供給拠点としての役割を全うし続けてきた同基地。これからは脱炭素への貢献という新たな役割が期待されている。

操業開始当時の基地の様子
提供:東京ガス

国内初のLNG専用基地として73年7月、ブルネイ船のファーストカーゴを受け入れ、同年11月に東地区の操業を開始。このほか、東京電力との共同基地として袖ケ浦火力への燃料ガス送出、LNGローリー出荷、隣接する東京酸素窒素への冷熱供給など「初」づくしの基地でもある。都市ガス需要拡大に伴い基地の設備を拡充し、82年12月には西地区の営業運転も始まった。

2000年代も国内初の取り組みが続き、03年には10万kWのガスタービンコンバインドサイクル発電所が、05年には2000kWの風力発電設備が運開(いずれの設備も現在は廃止)。07年5月にはLNG船4隻同時着桟という瞬間もあった。そして08年3月には単年度LNG受入量1000万t超、さらに21年12月には累計受入量4億tに到達。また、19年には日本初のカーボンニュートラル(CN)LNGを受け入れている。こうした歩みの中でも大きなトラブルはなく、首都圏への安定供給を継続してきた。

次の50年も地域と共に 役割の重要性は不変

23年11月末には、東ガスが50周年記念式典を開催。粕谷智浩・袖ケ浦市長は、この半世紀、目の当たりにしてきた市と基地の発展に思いを馳せつつ、「CN社会実現のためにはエネルギーのリーディングカンパニーである東ガスグループの取り組みがなくてはならず、本市も次の50年を共に歩みたい。取り巻く環境が急速に激しく変化しても、袖ケ浦の地から日本はもとより世界をリードしてもらいたい」と力を込めた。

また東ガスは、隣接地でLNG火力の新設計画を進めており、「将来はCO2排出がない水素を燃料に加えていくという柔軟性を持ったスペックを考えている」(棚澤聡・エネルギートレーディングカンパニー長)。CO2をオフセットしたe―メタンの利用についても、袖ケ浦の地で発展させたいとした。

そして足元ではLNGの調達が多様化している。「今までは長期契約がメインで、決まった産地のLNGを計画的に受け入れることが使命であり、かつ取扱数量が求められた。これからはより機動性、つまり、いつどのような品質のLNGが来てもしっかり受け入れてガス化できる基地が求められる」(同基地の城所秀樹所長)。周辺環境が不透明さを増しても、基地が担う役割の重要性は揺るがない。